スポーツ > コラム > 記事

駆ける魂

フォローする

相手の裏かき悲願の「銀」 卓球女子監督・村上恭和(上)

(1/2ページ)
2012/10/27 7:00
共有
印刷
その他

カリスマ性があるわけではない。巧みな弁舌をふるうタイプでもない。ロンドン五輪で卓球女子を率いた村上恭和(54)を例えるならば、娘を温かく見守る口数少ない父親といったところだろうか。それでいて、相手の裏をかく勝負師でもある。資質を存分に発揮したのが初のメダルを懸けた大一番でのことだった。

団体戦の戦術で強みを発揮、悲願の銀メダルを獲得した

団体戦の戦術で強みを発揮、悲願の銀メダルを獲得した

勝負師の本領、五輪初の銀メダル

団体の準決勝、シンガポール戦前夜。村上は一人、選手村近くのスポーツバーにいた。愛用の手帳と「iPad」を傍らに置き、相手の技量・戦術を日本の3選手と何度も比較し直す。団体戦のオーダーをシミュレーションし、あれこれと思いを巡らせていた。

北京五輪では前監督の近藤欽司の下でヘッドコーチを務めたがメダルに一歩届かず。北京後に監督に昇格した。

卓球が五輪競技になった1988年のソウルからおよそ四半世紀。悲願達成を担った村上と同じ船に乗ったのは、27歳の平野早矢香、23歳の福原愛、19歳の石川佳純という4歳ずつ違う"三姉妹"だ。

村上はロンドンでメダルを争うのは韓国かシンガポールと想定していた。早々に代表メンバーを固定。試合を左右するダブルスでは、カット主体の韓国なら緩急自在に攻められる平野・石川組を、台の近くに立つ前陣形のシンガポールにはカウンターに強い福原・石川組をあてようと決めた。

試合前夜、ペアの組み合わせ悩む

「相手の戦術に合わせた練習もやってきた」。が、直前になってそれを覆すべきか悩んでしまったという。

きっかけは、準決勝の対戦相手がシンガポールに決まった後のミーティングで石川が発した一言だった。村上が当初の予定通りに福原・石川組で戦うと伝えると、「平野さんと組んだ方が勝つチャンスがあると思うんですけど……」。

五輪前1年間は平野・石川組は試合に出ておらずリスクと言えたが「若い石川が異を唱えた。めったにないこと」と村上。

  • 1
  • 2
  • 次へ
共有
印刷
その他

「駆ける魂」卓球女子監督・村上恭和


電子版トップスポーツトップ

駆ける魂 一覧

フォローする
天才と言われるのが一番嫌だった

 「相手とケンカができないとだめです」。やや物騒な物言いで中田久美(47)は豪放に言い放つ。「ケンカできる選手がコートの中に何人いるか。それでバレーボールは決まります」
 15歳で日本代表に選ばれた。日 …続き (2012/11/10)

選手にヒントは与えるが、指示はまばらだ

 「世界を知らなければ世界には勝てない」。日立時代、当時の監督、山田重雄からそうたたきこまれて育った。世界一は目指すものではなく、当然つかむべきものだった。ロサンゼルス五輪の「銅」は首からすぐ外し、1 …続き (2012/11/10)

勝負どころではセオリーを外したい

 自分が「バレーはケンカ」と思って戦ってきたから、要所で腰が引けるセッターを久光製薬監督の中田久美は認めない。本人によれば勝負強いセッターとは「大事な局面で意表を突くトスをする。勝負どころであえてセオ …続き (2012/11/10)

ハイライト・スポーツ

[PR]