「ガンダム駅」なぜできた アップル地図騒動の真相

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2012/10/17 7:00
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■「ベクター地図」に評価の声も

悪いことばかりでもない。位置情報サービスGEOHEXの笹田忠靖代表は「アプリケーションの開発技術は非常に高い」と指摘した。3D非対応の従来のiOS向けグーグルマップアプリなどでは、事前に生成した画像をタイル状に分割して配信し、組み合わせて表示していた。そのため、ナビゲーション時にユーザーが方向を変えても地図は動かず、建物名などがひっくりかえって見にくいことも多かった。

3Dの東京タワーはオフィスビルのような形状だ

3Dの東京タワーはオフィスビルのような形状だ

これに対し、アップルの地図はデータを座標や数式(ベクターデータ)の形式で受け手の端末に配信し、端末側で画像生成する方式を採用。道路などの情報を更新する際、縮尺ごとに該当個所の画像を作り直す運用コストが大幅に減るという。建物をななめ方向見た際の3Dもなめらかに表現できるなど、本来はユーザーにとってのメリットも大きい。

正しいエンジニアリング、十分な準備期間があれば、宣伝通り「最も美しく、最もパワフル」な地図になっていた可能性もある。ただし、今は宝の持ち腐れ状態だ。「宝」となるまで、どれくらいの時間を要するのか。

グーグルと同じレベルまで到達しなくとも、せめて情報が正しくなければ地図として使えない。クック氏は謝罪の中で「利用者が増えれば増えるほど、地図は良くなっていく」と述べた。

しかし「(ユーザーのフィードバックを反映する)クラウドソーシングだけでは直らない」とオークニーの森社長は強調する。根本的な地図プロセスの改善、つまり地図の設計からやり直す必要があり、森氏は「地図のエンジニアが本気を出せば、2~3カ月で修正できる」という。ただし、「プロセスを改善する必要性に気付いていないとしたら、最大で1~2年かかることもありうる」(同社長)。

スティーブ・ジョブズ氏の遺産とも言える熱烈なファンは、それまで待ってくれるだろうか。カリスマ亡きアップル、"クール"な地図を使える日はいつ来るのだろうか。

(電子報道部 富谷瑠美)

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