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ボクシング西岡が切り開いた「本物の世界」
スポーツライター 杉浦大介

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2012/10/16 7:00
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しかし、蓋を開けてみればまったくの完敗。「ドネア相手ではこういう試合になるのは仕方ない」と本田会長はまな弟子をかばったが、勝てなかっただけではなく、客を喜ばせようとする姿勢が評価されるアメリカで、このような消極的とも映る戦い方をしてしまっては、決して好意的には受け取られない。

西岡の挑戦、大きな意義

アメリカで戦う以上はエンターテインメント性も問われるのは分かっていただけに、見せ場をまったく作れないままでの敗戦は本当に残念だった。

それでも、日本人ボクサーにとっては前人未到ともいえる大舞台に、西岡がたどり着いたことの意義は大きい。

全世界で行われ、真の意味で「ワールドワイドなスポーツ」といってよいボクシング。しかし、これまでの多くの日本人王者はほとんどのタイトル戦を日本国内で行い、そのため知名度も国内限定だった。

そんな風潮に変化をもたらしたことこそ、西岡の最大の功績といえるだろう。

日本ボクシング界の今後につながるか

2008年に5度目の挑戦でWBC世界スーパーバンタム級王座につくと、7度の防衛を達成。2度目の防衛戦ではメキシコに渡り、地元の雄ジョニー・ゴンザレスを3ラウンドKOで下して名を売った。

昨年10月にはラスベガスに渡って2階級制覇王者のラファエル・マルケスと対戦し、3―0の判定勝ちで7度目の防衛に成功。アメリカ本土で防衛を果たした日本人初のボクサーになるとともに、世界的な評価を勝ち得ることにもなった。

「(西岡対ドネア戦の実現が、日本ボクシング界の)今後につながってくれればいい。西岡だって日本だけでなく、海外でも勝ってここまできた。だから(日本のボクサーは)もっと外国に出なければ」

本田会長のそんなメッセージは、決して身びいきの発言には思えない。海外で2度に渡って防衛戦をこなすことで、西岡は単なる「日本人王者」の肩書から離れ、真の意味で世界レベルのボクサーとなった。

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