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限界は20秒、速攻に懸ける 大相撲・舛ノ山(上)

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2012/10/13 7:00
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硬い土俵を踏みしめながら、舛ノ山大晴は水の中にいる気分になることがある。優雅に泳ぐ爽快感ではない。空気を求めて必死でもがく切迫感があるのだ。

稽古では、軽く長く体を動かすことで練習量を補う

稽古では、軽く長く体を動かすことで練習量を補う

心臓に先天的疾患の疑い

心房中隔欠損症という先天的な疾患の疑いがある。心臓の壁に穴が開いているために血液の循環が悪くなり、体に酸素を取り込みにくくなる病気だ。

運動すると息が上がるのが極端に早く、すぐに動けなくなる。体重180キロの舛ノ山の場合、活動できなくなるまでの時間は20秒。

限界が近づくと、突きを繰り出す両手が重くなり、全身がだるくなる。「海で溺れているような苦しさ」を味わう。

土俵の上では相手の力士だけでなく時計の針とも戦う。だから、得意の押し相撲で早く決着をつけることに全てを懸ける。

立ち合いで頭からぶつかり、両手の突きを連打して一気に押しこむ。引き技もあまり使わず前に進む一本やりの相撲だ。

いちかばちかの四つ相撲も

心にあるのは、「腰を落として相手の体を下から突き上げ、押す力をしっかり伝える」ことだけ。勝っても負けてもほとんどの相撲が10秒以内に終わる。

「時間切れ」を避けるため、いちかばちかの賭けに出ることもある。先月の秋場所14日目、魁聖との一番がそうだった。

何度突きを繰り出しても、身長194センチと懐が深い相手を押せない。土俵の中央に立ったまま、12秒が過ぎた。

これ以上長引けば、待っているのは確実な敗北だ。舛ノ山は相手の得意な形と知りながらも、四つ相撲に切り替える。投げ一発で相手を転がそうとしたが、あえなく寄り倒された。

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