日米、そして中国も狙う…EVで変わる自動車勢力図
論説委員 関口和一

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2012/9/30 7:00
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2025年には乗用車の3台に1台が電気自動車(EV)に――。そんな時代を予感させるEVの開発現場に米国で遭遇した。充電規格の標準化を巡り、メーカー間の国際的な駆け引きが先鋭化している。EV時代を切り開き、そこで成功するのはいったい誰なのか。

■ハイテク企業が生み出した高級EVセダン

車内で目につくのが17インチの大画面液晶パネル。画面にタッチすると音楽・映像プレイヤーに早変わり

車内で目につくのが17インチの大画面液晶パネル。画面にタッチすると音楽・映像プレイヤーに早変わり

「どうですか、乗り心地は」。ハイテク企業が集まる米シリコンバレー。EVベンチャー企業のテスラ・モーターズを訪れた取材班に、同社技術担当のダニエル・ミゲン氏が見せてくれたのが、この夏から売り出したばかりの高級EVセダン「モデルS」だ。

外見は欧州のスポーツタイプの高級セダンといった感じだが、ドアを開けて一番驚いたのが運転席まわりの内装だ。通常はカーナビがある場所に17インチの大画面液晶パネルがドンと置かれ、エアコンなどの操作ボタンがアイコンで表示されている。画面をタッチすると、音楽や映像のプレーヤーになったり、電池の残量などを確認できる計器盤にも早変わりしたりする。

車一台一台に通信モジュールが搭載されているため、大画面でグーグルマップのようなデジタル地図を閲覧したり、スマートフォン(高機能携帯電話)を使って、離れたところから車を操作したりもできる。停止している際に大画面液晶で見られる動画もまた圧巻だ。

テスラのEVセダン「モデルS」を試乗する筆者。アクセルを踏み込むとポルシェ並みの加速をみせた

テスラのEVセダン「モデルS」を試乗する筆者。アクセルを踏み込むとポルシェ並みの加速をみせた

エンジン、いやモーターも当然、ボタン一つで始動する。恐る恐るアクセルを踏み込むと、何の音も立てず、力強く走り出した。時速96キロに達する時間は、高性能モデルで4.4秒とポルシェ並みの加速を誇る。しかも車輪はモーターに直結しているので、ギアによる変速なしにトップスピードまで入るのが特徴だ。

「走行距離も最大で300マイル(約480キロ)走るので、長距離ドライブも楽しめます」とミゲン氏は語る。取材班がそれまで抱いていた「電気自動車=小型車・低速・近距離」といったイメージは一遍に吹き飛んだ。

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