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崖っぷち背に全身全霊 ヤンキース・黒田博樹(上)

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2012/8/25 7:00
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ニューヨーク・ヤンキース監督のジョー・ジラルディいわく、「黒田は投球術、アウトのとり方を知っている」。剛速球や"伝家の宝刀"というような変化球はなくても、タイミングを外して打たせてとる。15のゴロの山を築いた14日のレンジャーズ戦の2安打完封は真骨頂だろう。

増すチームからの信頼感

18日現在、11勝8敗、防御率3.06。米国で先発投手の評価基準といわれる「6回3失点以下」のクオリティースタートが24試合中16試合。「打線の援護があれば15、16勝はしてる」とジラルディ。黒田博樹(37)は現在、チーム一安定した投手だ。

エースの左腕、サバシアが故障者リスト入りし、1990年代の黄金期を支えたアンディ・ペティットが骨折した6月末以降、黒田の存在感は増すばかり。こいつ、やるじゃないか――。厳しいニューヨークのメディアやファンの見方も変わった。

黒田自身は少しも変わらない。口癖は「いっぱいいっぱい。今日が最後かも、と思って投げている」。自分にプレッシャーをかける、この"崖っぷち感"こそが黒田の平常心だ。

プライドやこだわり捨てる

絶対的エースだった広島時代から同じ。精神的に疲れるが、今は充実感が違う。「ある程度、結果を残せているからかもしらんけど、ヤンキースはチームで戦っている感じがする」。その一部である実感がある。

渡米して5年目。ロサンゼルス・ドジャースで昨季まで2年連続2桁勝利、フリーエージェント(FA)で移籍した。近年、大リーグでの日本選手の評価は低下傾向にある。投手は3年目以降、成績が落ちるとされるなか、請われてヤンキース入りした黒田は今、最も評価が高い日本選手だろう。

なぜ、年々レベルアップできたか? という問いへの答えがすがすがしい。「ここで生き抜くため。それだけでしょ」。そのためには、プライドや自分流へのこだわりもスパッと捨てられる。それこそ、黒田の"らしさ"かもしれない。

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