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男子マラソン、2時間の壁はいつ破られるのか
編集委員 吉田誠一

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2012/8/12 7:00
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男子マラソンは大会最終日となる12日に行われる。1967年にクレイトン(オーストラリア)が2時間10分の壁を破った男子マラソンの世界記録は現在、マカウ(ケニア)の2時間3分38秒(2011年のベルリンマラソン)まで更新されている。このまま記録は伸び続け、2時間の壁は破られるのだろうか。日本体育協会スポーツ科学研究室の伊藤静夫室長の話を軸に考察すると――。

2時間3分38秒の世界記録を持つマカウ=ロイター

2時間3分38秒の世界記録を持つマカウ=ロイター

2時間突破、20~33年ごろか

米国生理学会の学術誌「Journal of Applied Physiology」が10年に「マラソン2時間の壁 だれがいつ?」というテーマを取り上げた。

誌上ではまず、ミネソタ州の総合病院メイヨ・クリニックのマイケル・J・ジョイナー博士らが「2時間の壁の突破は可能で、早ければ20年に、遅くとも33年ごろに破られる」とまとめている。

当時の世界記録は08年にゲブレシラシエ(エチオピア)が出した2時間3分59秒。そのため、ジョイナー博士らの研究はすべて、08年を起点に行われている。

マラソンの記録はケニア、エチオピアなど東アフリカの選手が台頭した60年代以降に急速に伸びた。60年代以降の記録の推移から計算すると、年間20秒短縮されたことになる。

記録伸ばす3つの生理学的な因子

これをもとに単純に計算すると、21~22年には2時間の壁を破れることになる。しかし、80年代からの伸びは年間10秒と鈍っているため、ここから計算すると、突破までは08年から25年を要することになる。

では、どうすればマラソンの記録は伸びるのか。生理学的な因子は最大酸素摂取量、乳酸性作業閾(いき)値、ランニングエコノミーとされている。

最大酸素摂取量とは体重1キロ当たり、1分間にどれだけの酸素を摂取できるかの数値で、マラソンを速く走るには、まずはこの能力を高める必要がある。

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