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100メートル走、どこまで速く? ボルトの速さの秘密

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2012/8/5 11:00
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ロンドン五輪で最も世界の注目を浴びる競技の一つが5日(日本時間6日)に行われる男子100メートル走だろう。ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が2009年に達成した世界記録9秒58の更新への期待が高まる。ボルトはなぜ飛び抜けて速い記録を達成できたのか。世界記録はどこまで伸びるのか。運動制御に詳しい早稲田大学の鈴木秀次教授に聞いた。

男子100メートル予選、10秒09で準決勝進出を決めたボルト(中央)=共同

男子100メートル予選、10秒09で準決勝進出を決めたボルト(中央)=共同

9秒58、予想より40年早い記録

9秒58はそれまでのボルトの世界記録9秒69を大きく更新するものだった。「予想より40年早い記録だった」と鈴木教授は驚く。鈴木教授が2000年に世界記録の更新ペースを元に推計したところ、2050年の世界記録が9秒65~9秒50のはずだったからだ。

ボルトの走りの最大の特徴は、最高速度を長時間維持できること。スタートから65メートルの時点で最高速度(時速44キロ)に達すると、90メートルを過ぎるまでほとんど遅くならない。

鈴木教授によると、その理由の一つが体形にあるという。短距離選手の身長は最も高くても180センチ台がほとんどだったが、ボルトは196センチ。従来は190センチ台の選手は短距離走には向かないとされていた。

スタートからの加速が遅くなりやすいうえ、走っているときの空気抵抗も大きくなるからだ。

■ボルト、100メートルを41歩で

ボルトは長身とはいえ、頭が小さいため、空気抵抗を比較的小さく抑えることができる。下半身が長く、走行時の歩幅は2メートル75センチにも達する。通常は100メートルを走りきるのに45~46歩かかるのに、ボルトは41歩で走りきることができる。

もう一つのスピードの理由は、ボルトの独特な走り方にある。「欧州の選手はレールの上を走るように滑らかに機械的に走るが、ボルトは上半身を揺らしながら走る。陸上の教科書にはない走り方」と鈴木教授は指摘する。

体を揺らして走ると、普通はその振動に対抗するために無駄な力が必要になり、時間のロスも生まれやすい。

では、なぜボルトは例外なのか。鈴木教授は「体の揺れと走る動きのタイミングを一致させることで、揺れが逆に相乗効果を生んでいる。ボルトがいろいろ試行錯誤した結果、身につけた技術だろう」と話す。

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