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解説者の目(塚原直也)

内村、「史上最強の体操選手」が見せた破格の実力

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2012/8/2 10:00
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世界選手権3連覇中の日本のエースは、五輪の大舞台でも飛び抜けた実力を発揮した。体操の男子個人総合で内村航平(コナミ)が金メダル。日本勢では1984年ロサンゼルス五輪の具志堅幸司以来となる快挙を成し遂げた。内村を超える選手は、おそらく今後も出てこないのではないか。もはや「史上最強の体操選手」といってもいいだろう。

金メダルを手に声援に応える内村=写真 佐光恭明

金メダルを手に声援に応える内村=写真 佐光恭明

着地ピタリ、圧巻だった跳馬

圧巻だったのは跳馬だった。跳馬は助走距離が長いため着地の際の衝撃も大きく、全6種目の中で最も着地を止めるのが難しい。しかも内村が挑んだシューフェルト(伸身ユルチェンコ2回半ひねり)は前向きに着地するため、着地点がつかみにくい大技だ。

それを内村は寸分の狂いもなくピタリと着地を止め、16.266の高得点をマークした。ここまで完成度の高い着地は国内大会でもなかなか見られなかったように思うが、五輪でしっかりと決めたのだから恐れ入る。

最後の種目となった床で珍しく手をつくなど少しのミスはあった。鉄棒では安全策を選び、予定より技の難度を落とした。

それでも、ほかのメダル候補が次々と大きなミスをして脱落していくなかで、熟練すら感じさせる演技で、各種目すべてで15点以上をそろえた。

一番難しいことを当たり前のように

種目ごとに強いスペシャリストは目立つけれど、全種目を完璧にこなすオールラウンダーはそうはいない。内村は4年前の北京五輪ではあん馬で2度落下するなど、苦手種目があったように感じられたが、今回はそれも全くなかった。金メダルは必然ともいえる圧勝だった。

予選では珍しくミスが相次ぎ、不安視する声も上がった。ただ、いくら練習をやったところでミスはつきもの。今までほとんどなかったことが不思議なくらいだ。周囲は「内村はミスをするわけがない」と錯覚していたのではないか。

それでも決勝の舞台では、高い難度の技をいつもと変わらぬ安定感で披露した。本当に一番難しいことを当たり前のようにさらりとやってのける。内村のすごさには改めて驚かされる。

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