日本サッカー世界への挑戦(五輪編)

引き分け狙い…なでしこ、フェアプレー精神はどこへ
サッカージャーナリスト 大住良之

(2/4ページ)
2012/8/1 7:00
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 なでしこジャパンはこれまでの2試合から先発を7人代えてこの試合に臨んだ。GK海堀あゆみ(INAC神戸)、左サイドバックのDF矢野喬子(浦和)、ボランチのMF田中明日菜(INAC神戸)、右MFの高瀬愛実(INAC神戸)、左MFの岩渕真奈(日テレ)、FW安藤梢(デュイスブルク)、そしてFW丸山桂里奈(大阪高槻)である。

南アフリカ戦の後半、ゴール前に飛び込む丸山=共同

南アフリカ戦の後半、ゴール前に飛び込む丸山=共同

燃えさかろうという選手の心に水

 しかし、試合前に佐々木監督は選手たちに「状況次第では引き分け狙いにすることもありうる」と話したという。

 主力を休ませるためとは分かっていても、ようやく巡ってきた先発のチャンス、選手によっては初出場のチャンスに燃えていなかったはずがない。しかし、佐々木監督の言葉は燃えさかろうという瞬間に水をかけたようなものだった。

 立ち上がりから日本の攻撃はまったくさえなかった。運動量もコンビネーションもなく、判断も悪く技術的なミスも目立った。前半の最大のチャンスは、左から岩渕が入れたクロスが相手DFに当たってあわやオウンゴールという場面だった。

 そして選手交代なしで臨んだ後半もまったく同じようなプレーが繰り返された。それどころか、前半の無失点で自信をつかんだ南アフリカに押し込まれる展開となった。

2人のCBは「世界王者」らしいプレー

 この日の南アフリカは、大敗はしたもののスウェーデンやカナダを相手に奮闘したチームではなかった。国際経験のないチームにとって中2日での3試合目は疲労の頂点にあり、ほとんど動けなかったのだ。

 前線の選手にボールを送り、なんとかしてくれと7人もの選手が後ろで見ているようでは、岩清水梓(日テレ)と熊谷紗希(フランクフルト)という2人のレギュラー組のセンターバックを置いた日本の守備を混乱させることはできなかった。

 日本のDF陣では、熊谷が「世界チャンピオン」の名に値する際だったプレーを見せ、「失点0」に大きく貢献した。

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