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日本サッカー世界への挑戦(五輪編)

なでしこを甦らせた配置転換と大野の「ラン」
サッカージャーナリスト 大住良之

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2012/7/26 12:00
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なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)を変えたのは、大野忍と川澄奈穂美(ともにINAC神戸)のポジション交代だった。19日のフランスとの親善試合で0-2と完敗したなでしこ。25日、ロンドン・オリンピック初戦のカナダ戦もまったく同じメンバーで臨んだが、佐々木則夫監督は手を打っていた。

先制ゴールを決めた川澄に抱きつく宮間=共同

先制ゴールを決めた川澄に抱きつく宮間=共同

大野をFWに川澄を左MFに

フランス戦では右MFでプレーした大野を大儀見優季(ポツダム)と並べてFWに置き、FWでプレーしていた川澄を左サイドのMFに置いた。そして左MFだった宮間あや(岡山湯郷)は右MFとなった。この「配置転換」が、なでしこジャパンを不調の淵から甦(よみがえ)らせた。

五輪前まで攻撃面でリズムが出ず、苦しんでいたなでしこジャパン。フランス戦を見ると、好調なのは大儀見ひとりで、大野も、川澄も、宮間も不調のように感じられた。

佐々木監督は、理屈ではなく、監督としてのカンのようなもの(とても大事なものだ)で、このポジション変更を決断したに違いない。それが攻撃陣に刺激を与え、活性化させた。

GKのタイミングを外した絶妙のシュート

先制点は前半33分。左サイドのスローインをMF沢穂希(INAC神戸)が大野に入れ、大野は沢にリターンするとすぐにターンして斜め前、ゴールの左前方のスペースに走った。

そこに沢から絶妙のパスがくる。ボールをコントロールした大野を見て、左から川澄が猛然とダッシュ。大野は相手を背負ったまま足の裏を使って川澄の走るコースにバックパス。抜け出す川澄。角度はない。しかし川澄が最も得意とする角度だ。

「走れば2対1の形ができると思った。中には大儀見らがいたが、試合の流れと時間帯を考え、思い切り足を振りました」と川澄。GKのタイミングを外した絶妙のシュートがゴールネットを揺らした。

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