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解説者の目(山本貴司)

北島、五輪では「自分」を超えろ

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2012/7/18 7:00
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 ロンドン五輪の開幕(27日)が間近に迫ってきた。国内外でそれぞれ調整を続けてきた競泳の代表選手は近く、ロンドンの選手村に入り、いよいよ本番モードに突入する。3大会連続2冠を狙う男子平泳ぎの北島康介(日本コカ・コーラ)に加え、メダルの期待がかかる注目の選手も多い。近畿大学水上競技部コーチで、2004年アテネ五輪200メートルバタフライの銀メダリスト、山本貴司さんに大会の注目選手や見どころを解説してもらった。

山本貴司氏

山本貴司氏

緊張することは悪いことではない

選手たちはレース本番に向けて気持ちが徐々に高まりつつある。同時に、緊張感が増してくる時期でもある。「自分の力を出し切れるのか」。表彰台に立つ自分の姿をイメージしてトレーニングを積んできても、選手の頭には不安が浮かんでくるものだ。

競泳の日本代表選手は男女合わせて27人。このうち、初出場の選手は今回代表の最年少で15歳の女子平泳ぎ、渡部香生子(JSS立石)ら17人いる。選手の多くが大会に近づくにつれ、緊張してしまうだろう。

だからこそ彼らには、ぜひこう伝えたい。「緊張することは悪いことではない。緊張は自分が戦闘モードに入った証しなんだよ」と。

最高のパフォーマンスを発揮するため必要な2要素

アテネ五輪の前のことだった。開幕まで残り1週間ほどに近づいた時期、合宿中の若手選手たちが、口々に「緊張してきた」と話しているのが聞こえてきた。

直前合宿に向け出発する競泳代表の(左端から時計回りに)堀畑裕也、松田丈志、立石諒、入江陵介、星奈津美、高橋美帆の各選手(10日、成田空港)=共同

直前合宿に向け出発する競泳代表の(左端から時計回りに)堀畑裕也、松田丈志、立石諒、入江陵介、星奈津美、高橋美帆の各選手(10日、成田空港)=共同

無理もない話だが、このまま不安が増すばかりではいけないと思って、一計を案じた。

私は1996年のアトランタ五輪、2000年のシドニー五輪に出場し、アテネは3度目の五輪の舞台だった。国際レースを何度も経験しており、メンタルトレーニングも積んできた。

学生時代、スポーツ心理学を学んでいたこともあり、若い彼らにこんな質問を投げかけてみた。

「レースで自身最高のパフォーマンスを発揮するためには2つの要素が必要だが、その2つとは一体、何だと思う」。すると、彼らはしきりに首をひねっていた。

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