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デジタル技術でどんな暮らしを実現したいですか?

読者の提案 越智仁・三菱ケミカルホールディングス社長編

越智社長の提示した「デジタル技術でどんな暮らしを実現したいですか?」という課題に対し、多数の投稿をいただきました。紙面掲載分を含めて、当コーナーでその一部を紹介します。

国を超えて遠隔医療

 浦上 正太郎(海陽学園海陽中等教育学校2年、14歳)

僕は、デジタル技術の中でも特に遠隔医療を取り入れたいと思う。その理由として、現在全ての人が満足できる医療サービスを受けられていないためだ。特に、アフリカなど発展途上国の人々には身近に良い医者が少ないということが挙げられる。しかも、それは発展途上国のみならず先進国でも似たようなことが言えるのではないだろうか。例えば、難しい手術を必要とする病気にかかってしまっても遠いが故に断念するケースも少なくない。遠隔医療を取り入れることは、世界中の人々を幸せにすることにつながっているはずだ。具体的には遠隔操作を用いて、難しい病気を患った人の手術をすること。それだけではなく、人工知能(AI)を利用し、国を超えて診察を受けられるようにしたい。そのためには、技術を飛躍的に向上させる必要があるという課題があるが、自分が次世代を担うリーダーになり、実現したい。

睡眠時間でワークライフバランス

 泉沢 俊(駒沢大学グローバル・メディア・スタディーズ学部、21歳)

デジタル技術を駆使し睡眠時間を活動できる時間に変えることはどうだろうか。睡眠は大切だ。日中活動した内容を整理し、身体の疲労を取り除く大切な時間だ。しかしデジタル技術が発達し、睡眠中の脳内をネット環境と接続することが可能になれば、私たちの活動時間は飛躍的に増加するだろう。眠っている間、身体は動かせないのでメイン業務はネット上の作業に限られる。メールの確認、資料の作成、見積もりの計算等。脳波を読み取りパソコン内にデータを打ち込み、保存する。更にはネット上を閲覧。学習時間に充て、情報を探る中で創造的な発想を得られるかもしれない。ある程度の作業を睡眠中に行うことで、日中の仕事量は減少するはずだ。その結果、趣味に没頭できる、子供と過ごす時間をとる等。プライベートな時間を増やすことが可能になるだろう。限られた24時間の中、オンラインとオフラインを使い分けることで、充実した暮らしを実現できると思う。

オフィスをなくそう

 籠橋 秀峰(海陽学園海陽中等教育学校高校3年、17歳)

今、政府は働き方改革に本腰を入れて取り組んでおり、残業削減、産休取得やフレックスタイム制など様々な事について議論を深めている。しかし、これらはオフィスがなければそもそも議論にならない。仕事をネット上に移して、内容をクラウドで共有し、チャットで連絡を取る。すでに多くの会社が取り組み始めており、今後もこの流れが強まると予想される。オフィスを物理的になくす事は、今のデジタル技術を考えると極めて合理的だ。会社に必要なのは仕事場でなく仕事なのだから。人と人が面と向かって進めた方が良い仕事もまだ多く、現実にオフィスを構える利点もまだ少なくないのだが、それでもオフィスをなくすのは、業務効率の改善と同時に、通勤電車の混雑や地方から都市への人口流入などをはじめとする様々な社会問題の解決につながるからだ。誰でも、どこでも、いつでも仕事ができる暮らしをデジタル技術は実現するのではないだろうか。

【以上が紙面掲載のアイデア】

超カスタム生活

 曽田 昌弘(会社員、39歳)

人の働き方・生き方についてダイバーシティが意識されつつあるのと同様、モノではマスプロダクションから、マスカスタマイゼーションへの変化を迎えている。同じモノが大量生産され、皆がそろって同じモノを大量消費する時代から、個々人にフィットした形にカスタマイズされたモノの時代への変化だ。カスタマイズという意味では、古くからオーダーメードがあるが、あくまで高級品で比較的裕福な人しか利用できなかった。マスカスタマイゼーションではそのハードルはグッと下がる。そのためには、計測や設計、加工にデジタル技術が欠かせない。あらゆる製品について、手ごろな価格で個人個人にフィットしたモノが買える生活は、快適な超カスタム生活になるだろう。では、カスタマイズすることに疲れたら?その時は、人工知能(AI)が好みにカスタマイズしてくれるようになるだろう。そんな魅惑の超カスタム生活は、どこか怖くもある。

時間や距離の制約を受けない暮らし

 野々村 太地(海陽学園海陽中等教育学校高校3年、17歳)

家に居ながら世界中を旅することができれば面白いと考えた。きっかけは私の好きな映画だ。その作品は、世界中の人々がゴーグル1つでなんでも経験できる仮想世界を舞台にしている。もし普及すれば、例えば80歳を過ぎたとしても12時間も飛行機に揺られずに、ブラジルの「リオのカーニバル」がゴーグルをつけるだけで、まるで自分も参加しているかのような体験ができるようになる。私はこれがこの先の社会を大きく変えられると考えた。社員がゴーグル1つ持っていれば、通勤する必要もなく自宅に居ながら地球の裏のような遠い距離にいる相手とも仕事ができる。また、ゴーグルで授業が受けられるようになれば、今まで授業を受けたくても受けられなかった人達が、まるで目の前に先生がいるかのように受けられると考えた。このようにデジタル技術の仮想世界によって時間や距離の制約を受けない生活ができると私は考える。

残業のない暮らしを

 鳥羽 裕介(会社員、26歳)

会社で無駄だと思う会議はないだろうか。私が思う無駄な会議とは、いなくても良い参加者が出席する会議のことだ。関係各部を巻き込んだ会議をしておきたい、議事録の説得力を増すために上司が出席した痕跡を残しておきたい、といった考えからこうした会議は生まれる。つまり、その人の存在に価値があるのであって、その人のアイデアや発言は期待されていない。では、デジタル技術を使って本物そっくりの体を作ることで、同時に多くの会議に出席できるようにしてはどうだろうか。当人は無駄な会議に出る必要がなくなるため、自身の頭を使う本質的な仕事に労力を費やせる。会議の主催者は、一番大切な「偉い人が出席した」という事実が残せる。そしてこれが続けば、将来的にはいつでもどこでも出席できる人の存在には価値がなくなる。会議の参加者は真に必要な者のみになり、残業削減を進める働き方改革にも一役買うだろう。

気候変動を制御

 米津 栄次郎(無職、87歳)

深刻化する気候変動の影響を最小限に抑えた快適な暮らしを実現するために、デジタル技術を最大限に活用することを提案する。人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)などのデジタル技術を駆使し、温暖化ガスを大気中から除去することだ。快適な暮らしの基本は気候変動の影響を受けない、もしくは最小限に抑えることだ。過去から現在まで気候変動を制御するのは不可能と考えられてきた。しかし、デジタル技術で過去の不可能を可能にできるとすれば、これこそが喫緊の課題であると思う。日本では気候変動の影響を地球温暖化と表現して防止・緩和策に努めるが、その歩みは緩やかである。世界気象機関と国連環境計画により設立された国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、9200以上の科学論文を参照し800名超の執筆者により4年の歳月をかけて作成した「第5次評価報告書」は気候変動の深刻さを物語っている。

スマートライフを実現する

 増野 秀夫(自営業、62歳)

インターネットをはじめとするデジタル技術で「スマートライフ(時短生活)」を実現する。新しい令和の時代には、デジタル技術が持つ特性を理解したうえで、物事をじっくりと分析し、その本質を見極める力が重要になる。人工知能(AI)を搭載したAIスピーカーを使えば、リモコンを探したり、スイッチを操作したりする必要がなくなり、時短生活が実現する。AIスピーカーに対応する家電も増え、AIスピーカーやスマートフォン(スマホ)経由で赤外線通信で家電を制御するスマートリモコンは、時短生活の利便性をさらに高める。だが、AIは消費者の購買行動など膨大なデータを集めて分析し、個人の経済状況や趣味、政治信条なども推定できる。便利な道具を使う基本原則は個人が不利益を受けないことだ。セキュリティーについても、サイバー攻撃などでAIが誤動作する恐れなどを考え少数のAIに依存してはならないだろう。

超自給自足

 谷合 剛(高知工科大学経済マネジメント学群3年、21歳)

これからは日常生活もビジネスも、デジタル技術と密接に関わっていくだろう。そこで私が実現したいと思う暮らしは、ネットショッピングでモノを買わずに自給自足する暮らしだ。

ネットショッピングでモノを買うのではなく、3Dデータを買って自宅の3Dプリンターで作ってしまう。3Dプリンターもプラスチックや金属に近い強度のものなどがあるので、いろいろなモノが作れるだろう。実現出来れば、宅配の再配達問題がなくなり、個人がCADデータを販売して新たなモノを生み出すことも簡単になる。自分が欲しいモノも手軽に作れるようになる。

20年前にスマートフォンがこんなに普及すると思った人がどのくらいいたか分からないが、3Dプリンターの普及も未知数であり、原料さえ補充すればいくらでもモノを自給自足できる。

空間利用

 小西 凌(産業能率大学経営学部3年、20歳)

今の暮らしに不満はありません。。ですが、次第に便利になっていく住まいをみると、とても羨ましく思い、興味を持ちます。今後、ロボットが一般家庭にもいるようになれば、より便利な暮らしを実現できると思います。さらにそれ以上の未来も期待します。それは、まだ利用していない空間を使った暮らしです。機械は便利な一方で、場所をとるため邪魔なケースもあります。それを解決するのが空間利用です。全ての空間でデータを操作し、家具や電子機器にアクセスできれば、どこにいても何でもできる暮らしになるはずです。

空飛ぶ電車

 丸山 夏季(産業能率大学経営学部3年、20歳)

子供の夢のような話になってしまうが、空を飛ぶ電車ができればいいなと思う。高校生の時、ドア・ツー・ドアで約2時間かかる高校に通っていた。電車に乗る本数は4本で、毎朝、通勤ラッシュだった。学校に行くまでに疲れてしまうことが多かったし、電車内にはピリピリしている人がたくさんいた。今の世の中にはこのような人が何十万人といるだろう。どうしてこんな電車に毎日乗らなければいけないのだろうと、何回も思った。

空飛ぶ電車があれば、満員電車も少しは緩和されるのではないかと思う。飛行機のように天候に左右されやすくなってしまうため、急ぎの用事がある人向けではない。だが、私は遠い未来の話ではないような気もしている。

記憶を映像化できる時代

 和久井 春香(産業能率大学経営学部3年、20歳)

デジタル技術の活用で今後、自分の頭の中の記憶を映像化できるようになるのではないかと考える。よく母や祖母は私の小さいころの話や自分が若いころの話をしてくれる。話を聞いているだけでも、もちろん楽しいし面白いが、私自身にとっては覚えていない思い出・知らない思い出であるためはっきりと自分の思考の中で再現できない部分がある。だから、技術の進化によって頭の中の記憶を映像化できるようになったら会話がさらに弾むのではないかと考えた。また、社会でも、記憶を映像化できるようになったら、言葉ではうまく説明できない内容でも頭の中で描いている内容を映像を見せることによって説明できるようになり、よりよい企画ができるに違いない。今まで実現不可能だと思われてきたことが実現可能な未来になっているのは非常に夢があり、生きることが楽しくなってくるだろう。

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