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主役をつかめ

歩形の美、群を抜く 競歩 森岡紘一朗

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2012/7/22 11:07
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競歩選手はレース中、2つの「敵」と戦わなければならない。一つは他の選手、もう一つは歩形違反の反則だ。レース中に3度警告(違反)を受けると失格。どれだけ先頭を歩いていても退場を余儀なくされる。

1キロを4分15~30秒ほどのペースで歩き通す

1キロを4分15~30秒ほどのペースで歩き通す

前者の敵はともかく、後者の敵は森岡紘一朗(富士通)には無縁である。歩き始めて約10年、これまでに歩形違反を通算6度しか取られたことがないのが自慢だ。

最後の違反は2年前。「試合を重ねるごとに自信が増していった」。1年に7~10レースは出場するというから、まさに驚くべき安定感といっていい。

世界に通じる美しいフォームも、原点には挫折の記憶がある。諫早高3年の夏。地元長崎で開催された高校総体1万メートルに出場、ラスト1周のスパートでトップでゴールした。

約10分後。優勝インタビューを受けていた時に失格を告げられた。「そのレースまで一度も警告を受けたことがなく、まさか自分にそんなことが起きると想像しなかった。あの時、フォームの大切さを学んだ」と語る。

2年先輩で日本記録保持者の山崎勇喜(自衛隊)らが輩出している順大に進んでからは、現在も指導を受ける今村文男コーチの下で正しいフォームを体に染み込ませた。

上下動が少なく、大きなストライドを生かした歩きが持ち味。補強運動で体幹を鍛え、終盤になってもストライドが小さくならない歩きを磨いた。

成果がはっきりと形になったのが昨夏の大邱世界選手権。50キロで日本勢過去最高タイとなる6位でフィニッシュ。2大会連続の五輪代表切符も手にした。

先頭集団のオーバーペースを見極め、中盤からぐんぐん順位を上げたレースは「自分のベストが出せた」。

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