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窮電社会 長い夏が来る
写真は語る

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2012/6/18 3:30
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太陽電池パネル4570枚(出力650キロワット)が南、西面と屋上をすっぽり覆う東京工業大学の「グリーンヒルズ1号館」。燃料電池(出力100キロワット)を併用し、建物で使う電力の自給を目指す(東京都目黒区)

太陽電池パネル4570枚(出力650キロワット)が南、西面と屋上をすっぽり覆う東京工業大学の「グリーンヒルズ1号館」。燃料電池(出力100キロワット)を併用し、建物で使う電力の自給を目指す(東京都目黒区)

太陽電池パネルは太陽光による熱を遮る効果もある。日照条件が良いときには、100~200キロワットの余剰電力を生んでおり、キャンパス内の他の建物に回している

太陽電池パネルは太陽光による熱を遮る効果もある。日照条件が良いときには、100~200キロワットの余剰電力を生んでおり、キャンパス内の他の建物に回している

関西電力と堺市が共同で建設した国内最大級のメガソーラー「堺太陽光発電所」は出力1万キロワット。2011年9月に全面運転を開始した。21ヘクタールの敷地に並ぶ約7万4000枚の薄膜型太陽電池に「SOLAR SAKAI」の文字が浮かび上がる(堺市西区)

関西電力と堺市が共同で建設した国内最大級のメガソーラー「堺太陽光発電所」は出力1万キロワット。2011年9月に全面運転を開始した。21ヘクタールの敷地に並ぶ約7万4000枚の薄膜型太陽電池に「SOLAR SAKAI」の文字が浮かび上がる(堺市西区)

堺市の分譲住宅「スマートシティ堺・初芝」の屋根には太陽電池パネルが並ぶ(写真上)。太陽光発電などで得た電気のうち、余った分を売電できる。一家4人で暮らす入居者の西川昇さん(31)は、「モニターで電気使用量が見えるので、節電にも張り合いがある」

堺市の分譲住宅「スマートシティ堺・初芝」の屋根には太陽電池パネルが並ぶ(写真上)。太陽光発電などで得た電気のうち、余った分を売電できる。一家4人で暮らす入居者の西川昇さん(31)は、「モニターで電気使用量が見えるので、節電にも張り合いがある」

この日の天気は「晴れ時々曇り」、エアコンは使わなかった。太陽光で18キロワットを発電し、15キロワット(630円分)を売電した。西川さんの長女、咲良ちゃん(4)も、パネルの操作はお手の物

この日の天気は「晴れ時々曇り」、エアコンは使わなかった。太陽光で18キロワットを発電し、15キロワット(630円分)を売電した。西川さんの長女、咲良ちゃん(4)も、パネルの操作はお手の物

大飯原発の再稼働が問題となる中、首相官邸前の集会でメッセージボードを手に立つ男性(6月5日)

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ツイッター上の呼び掛けで集まった人たちが、首相官邸前で声を張り上げた

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午後6時で完全に消灯された大阪市役所の廊下。消灯は東日本大震災の発生前から経費節減のためにしていたことで、電力が逼迫する今夏にさらなる節電効果は望めない(大阪市北区)

午後6時で完全に消灯された大阪市役所の廊下。消灯は東日本大震災の発生前から経費節減のためにしていたことで、電力が逼迫する今夏にさらなる節電効果は望めない(大阪市北区)

野田首相が記者会見で関西電力大飯原発の運転再開を表明した翌朝、原発前の海は穏やかだった。(左奥から)4号機と3号機(6月9日、福井県おおい町)

野田首相が記者会見で関西電力大飯原発の運転再開を表明した翌朝、原発前の海は穏やかだった。(左奥から)4号機と3号機(6月9日、福井県おおい町)

東京・目黒の東京工業大学大岡山キャンパス。全体が黒光りする地上7階、地下2階の「グリーンヒルズ1号館」が今春、お目見えした。黒いのは太陽電池パネル。南、西面と屋上に計4570枚がびっしり並ぶ。比較のため国内外7社の太陽電池を使用。都市ガスを燃料とする出力100キロワットの燃料電池と組み合わせ、建物で使う電力の自給を目指す。電力が余ればキャンパス内の他の建物に回し、不足すれば逆に供給を受ける。
 訪れた日、突然の雷雨で、パソコン画面の電力収支は「マイナス」になった。東工大准教授の伊原学さん(47)は「自然エネルギーがどこまで主役になり得るかを調べる。(消費地近くで発電する)分散型発電システムのモデルにしたい」と意気込む。
1カ月の電気料金は2906円、売電額は1万6968円。パナホームから購入した大阪・堺市の分譲住宅に一家4人で引っ越した西川久仁香さん(31)は、初めて届いた関西電力の明細書を見て驚いた。料金は以前マンションに住んでいた時の3分の1程度。太陽光発電で余った電力を売った売電額が大きいため約1万4000円の「黒字」になったからだ。
 全58戸の分譲住宅は出力4キロワット級の太陽電池と家庭用燃料電池を標準装備。価格は従来に比べ500万円程度高いが契約は順調という。
 もっとも、夜間や悪天で電力が足りない時にはいつでも電力網を通して電気が得られるからこそ安心できる。火力や原子力によって安定した電力供給を確保したうえで、再生可能エネルギーを最大限に使いこなす工夫が必要になる。

(文 編集委員 安藤淳、写真 浅原敬一郎)

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