2019年9月15日(日)

全員遺言時代、間近に 財産少なくても「争族」の恐れ
年代問わず準備を

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2012/6/10 7:00
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遺言書が残されていなかったため、相続人が手続きに振り回されることも多い。

「遺産分割の手続きがまだ終わらない」。神奈川県のBさん(女性、40代)はため息をつく。昨年9月に亡くなった父は遺言書を残さず、財産のことを何も話さなかった。葬儀などが落ち着いたころに預金口座のある銀行へ出向いたら、法定相続人を確定するため、生存中の戸籍謄本をすべて用意するよう言われた。

Bさんは全国7カ所から戸籍謄本を取り寄せたところ、先妻との間に子どもがいたことが分かった。連絡先を調べ、遺産分割方法を話し合うのにも時間がかかったという。

三菱UFJ信託銀行の灰谷健司・トラストファイナンシャルプランナーは「遺言書は残される家族のために用意すべきもの」と訴える。(1)子どもがいない夫婦が配偶者にすべてを残す(2)世話になった家族などに贈る(3)特定の人には相続させない――など、意図を持って分ける場合には特に用意すべきだと強調する。

「考えなければいけないのだけど……」。東京都に住むCさん(女性、72)は悩む。相続セミナーに参加し、遺言書の大切さを認識しているものの、なかなか実行できない。

Cさんは3人の子どものいずれかに自宅を譲りたいと考えているが、全員独立し、戻る見込みはない。名案が浮かばず「まだ元気」と、つい先延ばししてしまうという。

Cさんのように生前に死後の準備をするのをためらう人は珍しくない。経済産業省の調査によると、70歳以上で遺言書を既に作成している人は4%にすぎない。一方「作成するつもりはない」が34%、「考えていない・わからない」は21%に達する。(図2

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