2018年12月16日(日)

全員遺言時代、間近に 財産少なくても「争族」の恐れ
年代問わず準備を

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2012/6/10 7:00
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 親や配偶者など身近な人を亡くした時に遺産を受け継ぐ相続。手続きや対応を誤れば一瞬にして「争族」になりかねない。特にもめやすいのが遺言書を残していない場合だ。なぜもめるのか、遺言書はどのように残せばいいのか。

「遺言書だけは書いておいてほしかった」。東京都のAさん(男性、63)は自らに降りかかった悲劇を悔やむ。

Aさんは3人兄弟の長男。5年前に亡くなった父は数カ所の土地を「お母さんと兄弟で平等に分けてほしい」が口癖だった。ただ、父が遺言を残さなかったのが、家族関係に暗い影を落とすことになるとは想像もしなかった。

民法の法定相続分は配偶者である母と子が2分の1ずつ。子どもが複数なら均等に相続する。もちろん、相続人全員が合意すれば分け方は自由に決められる。Aさんたちが遺産分割を話し合う過程で、三男が反発。家庭裁判所での調停寸前までもめた揚げ句、何とか合意にこぎ着けた。

Aさんの苦悩は続いた。父の死から2年後に母も他界。母も遺言書を残さず、今度は母が継いだ土地の分け方を巡り再び争った。

Aさんは先祖代々の土地を売ることに抵抗があったが、最後は「売却して代金を3等分すべき」という三男の強硬な主張に従った。2人の間には感情的なしこりが残り、絶縁状態が続いているという。

■不動産評価難しく

「遺言書は必ず用意した方がいい」。相続相談サービス、夢相続(東京・中央)の曽根恵子代表は強調する。子どものころは仲が良くても、家庭を持ち、住宅ローンや教育費などの負担が重くなると「もらえるものはもらいたいと思うようになる」(曽根氏)。

財産が少ないからもめないと思っている人こそ要注意だ。一般家庭の財産の大半を占める自宅不動産は評価でもめやすく、分けるのが難しい。2010年に家庭裁判所で調停などが成立した「遺産分割事件」の74%が、不動産を含む遺産額が5000万円以下(図1)のケースだ。

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