2019年9月16日(月)

子育て中の社会保険料は? 時短勤務には特例制度 社会保険労務士 井戸美枝氏

2012/6/8 7:00
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12月に第1子を出産予定です。産前産後休業や育児休業を取得したうえで、復帰後は時短勤務で働くつもりです。その間の社会保険料はどうなりますか。(大阪府、32歳、女性)

一般的に子どもの出産、養育のために休みを取れば収入が減ってしまいます。もっとも、その間の社会保険料(健康保険と厚生年金)の支払いについてはバラツキがあるので注意が必要です。

産休中(産前6週間、産後8週間)は免除されません。健康保険から1日につき標準報酬日額の3分の2に相当する出産手当金が支給されるものの、厚生年金保険料は払う必要があります。ただ、子育て支援のため免除する方向で法改正が検討されています。

育児休業は産休が終わってから子どもが1歳になるまで取れるほか、保育所に入所できないなど特別な事情がある場合は1歳半まで認められます。その間の社会保険料は全額免除されます。将来の年金支給額は、免除期間も保険料を払い続けたものとして計算されます。

最近は育休を終えて職場復帰してからも、子どもの養育のため給与が減っても時短勤務を選ぶ人が増えています。給与減に伴い年金保険料も下がり、将来受け取る年金額も減るのが一般的です。ただ、3歳未満の子どもの養育のために給与が減った場合は、減る前の給与をもとに保険料を払っているものと見なして、将来の年金受給額が下がらないようにする特例措置があります。

例えば、月24万円の給与が同22万円に下がったとしましょう。厚生年金保険料は1万9694円から1万8053円に下がりますが、子どもを養育するため時短勤務中の人は1万9694円を払ったと見なされます。この特例は2年前まで遡って申請でき、男女問わず育休を取得していない人も対象です。

育休中の保険料免除や特例措置は会社を通じて年金事務所に手続きをします。保険料免除は本人分だけでなく会社の負担分も免除されますから会社が積極的に申請してくれるケースが多いようです。一方、特例措置は本人が申し出を忘れていても、会社が指摘する義務はありません。忘れずに申請しましょう。

井戸美枝(いど・みえ)
 神戸市生まれ。関西大学社会学部卒。1990年社会保険労務士資格、96年CFP資格取得。年金と社会保障問題に詳しい。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、キャリアカウンセラー(GCDF)、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントなど多彩な顔を持ち、ライフプランや社会保障などをテーマに講演やメディア出演。関西と東京に拠点を設け、各地を忙しく飛び回る。年金や社会保障に関する著書も多数。

[日本経済新聞朝刊2012年6月6日付]

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