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ダイヤモンドの人間学(広澤克実)

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斎藤佑樹の「バラツキ投法」が投手の常識覆す

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2012/5/20 7:00
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いい球筋の投球のなかに、時折、信じられないような欠陥フォームの投球が混じる。もしあれが計算ずくだったなら、やはり天才。そう思わせる斎藤佑樹(日本ハム)の投球は、これまでいわれてきた「いい投手」の常識を覆す可能性を秘めている。

■直球だけで「7色の変化球」にみせかける

私がみたときの斎藤の球は、直球でもいろいろ変化をしていた。右打者の内角球がシュートしたり、外角の球がスライドしたり。スライドするはずの外角球が、時にはシュートすることもある。

そこに拍子抜けするような球がまじる。踏み出した左足に体重が乗り切らず、重心が後ろに戻ってしまうことがあるのだ。このフォームから投じられた直球は体重が乗ったときと比べて、10キロほどもスピードが落ちる。直球だけで「7色の変化球」にみせかけているわけで、これは打者にとって打ちづらい。

私がもし対戦チームの打撃コーチなら、直球を捨ててスライダーを狙わせる。スライダーの方がまだ曲がり具合など、球筋が安定しているからだ。

「いい球筋」が本当にいい投球なのか

こう書くと、斎藤が技術的に未熟で、抑えているのはたまたま、と言っているように受け取られるかもしれないが、そんなつもりではない。

ここで書きたいのは、これまで投手の誰もが理想として目指し、指導者たちがやっきになって教え込もうとしてきた「いい球筋」を生むフォームが本当にいい投球動作なのか、見直すべきではないかということだ。

今まで理想とされてきた球は打者の手元で伸びて、しかも球質が重くて打っても飛ばない球だ。

もちろんそれが両立できればいいに決まっているけれど、物理的に無理だ。手元で伸びる球はきれいなバックスピンがかかっている。バックスピンがかかると揚力がつき、打者にとっては伸びているように感じられる。

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