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北島康介らを育てた「選手に限界破らせる法」
競泳日本代表ヘッドコーチ 平井伯昌(上)

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2012/5/8 7:00
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平井伯昌コーチ 

平井伯昌コーチ 

 競泳の北島康介(平泳ぎ、日本コカ・コーラ)を五輪2大会2種目連覇に導いた名伯楽、平井伯昌(ひらい・のりまさ、東京SCコーチ)氏が、今夏のロンドン五輪に向けて新たな挑戦を楽しんでいる。北京五輪後、かねて指導してきた上田春佳(自由形、キッコーマン)に加え、寺川綾(背泳ぎ、ミズノ)や加藤ゆか(バタフライ、東京SC)の指導に携わってきた。
 この3選手は4月の代表選考会でいずれも日本記録を更新して代表入り、メダルを目指す。ロンドン五輪では競泳日本代表ヘッドコーチとして選手を率いる平井氏。選手を伸ばし、能力を引き上げてきたコーチングの要諦は、どこにあるのだろうか。

目標を達成するための「式」を作る

競泳のコーチは、選手の成長過程をともに過ごします。強い選手ほど、我々コーチの方が親御さんより接している時間が長くなります。だから若い頃からみている選手たちには水泳の技術の指導に加え、人間教育という観点でずっとやってきました。

コーチングとは「選手の夢を現実にさせてあげるための作業」といったらいいでしょうか。選手に練習をさせる、頑張らせて速くする、というものでもないんです。

「君はこれをこう直せば、速くなる」と、必ず一つの手順に落とし込み、課題の克服方法なるものを提示してあげる。それをもとに、選手は自分の課題を確認し、それを自覚しながら泳ぐ。そして直していく。そんな一連の過程が「練習」なんです。

五輪に出る、あるいはそこでメダルを取る。選手たちの目標は決まっています。それら「答え」を求めるための「式」、方程式みたいなものを一緒になって見つけてあげるのがコーチングではないかと、長年やっていて感じるようになりました。

選手自身が「気づく」ように

最初は僕たちコーチがそうした「式」を選手に提示してあげることが多いけれど、「どうしたら速くなると思う?」とあえて選手に問いかけたり、ビデオ映像を見せたりして、徐々に選手が自分自身で「気づく」ようにしていきます。

最終的には北島康介のように「コーチのいらない選手」になってもらえれば理想です。自分の感覚で「式」をみつけて、直していける。しかしそんな選手は康介が初めてです。最初はあそこまでできるとは思っていなかったですが、康介がああいう風になれたのをみて、「ああ、最後は独り立ちできるのだな」と改めて感じています。

目標という「答え」のための「式」は、目標を達成するための手段や方法です。まずはそれをきちんと作る。正しい式は選手ごとに違うし、それは毎年変わるかもしれない。その時点で、一番正しい式、方法論を模索していきます。

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