「日本のゲームは最低」 波紋を広げたゲーム開発者の発言
ゲームジャーナリスト 新 清士

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2012/3/28 7:00
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トリプルAタイトルはビジネス的に博打性が高まっており、そこで使われている技術もどんどん高度なものになっている。少々のことでは他社が追随したり模倣したり争うことはできない領域にまで達しているのだ。「コール・オブ・デューティ」、アクションゲームの最高峰「アンチャーテッド」(ソニー・コンピュータエンタテインメント)などは、もう新興の他社が追いつけるレベルではない。家庭用ゲーム機のパッケージ市場はそれらのゲームとその続編で、ほぼ完結しつつある。

一方で、ソーシャルゲームは新たに全盛期を迎え、ミドルサイズの家庭用ゲーム機向けゲームを市場から駆逐しつつある。質は着実に向上しており、もう、ユーザーはそこそこのパッケージゲームには、50ドルものお金を払ってはくれない。ただ、ソーシャルゲームは無料か限りなく低価格の「サービス」に近いため、ゲームそのものにメッセージ性を込めたり、ストーリー性を含めることが難しい。

だが、ゲームそのものとして、きちんと完結しているものを望むユーザーは決して少なくない。その市場を埋めるように、様々な手法が試されているのがインディーズゲーム市場なのだ。

iPhoneのようなスマートフォン市場で提供される1ドル前後のシビアな低価格ゲームから、Xbox360でマイクロソフトが積極的に推し進めている「Xbox Live Arcade(XBLA)」のような10ドル以上のゲームまで価格帯はバラバラだ。しかし、共通する特徴は、ネット流通を利用したダウンロード販売を行うタイトルであることだ。

XboxLiveArcadeのページ

XboxLiveArcadeのページ

マイクロソフトは、質の高いインディーズゲームを選んで投入する戦略を採っている。そして、新作は週に1本程度しか追加せず、比較的高い価格水準にゲームの販売価格を維持することで高い収益を生み出す環境を守っている。映画に登場する人々は皆、XBLAで成功した人々だ。

調査サイトよると、XBLAは2011年に1億4400万ドルを売り上げ、前年よりも18%も売上が伸びている。トップ10位のタイトルは20~30万本を販売し、460万ドルもの売上高を達成したゲームも出ている。何百人も抱える大規模なゲームスタジオにとっては小さな金額だが、少ない人数で開発したインディーズ開発者にとってこの収益は巨大だ。

だから、インディーズの開発者がなだれ込んでくるのだ。今では、マイクロソフトは何十億円も開発費が必要な大型タイトルへの投資を絞るようになり、こうしたインディーズゲームの取り込みに力点を移しつつある。

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