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イングランドサッカーで起きた「ムアンバの奇跡」
サッカージャーナリスト 原田公樹

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2012/3/24 7:00
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 この1週間で奇跡を2度見た。最初のそれは悲劇の最中に起こった。17日、サッカーのFA(イングランド協会)カップ準々決勝、トットナムの本拠地であるホワイトハートレーンで行われたボルトン戦。右ウイングとして先発したボルトンのFW宮市亮へのマークは、いつもと比べてそれほどきつくない。今日も何かやるかもしれない、と期待しながらその試合を見ていた。

■ムアンバが突然倒れる

 小雨が降り続くなか、1-1で迎えた前半41分。トットナムの攻撃に気をとられ、気づいたときにはボルトンの選手が1人、自陣側のピッチの上にうつ伏せに倒れていた。

 「最初は肘打ちを食らったかなと思った」とトットナムのレドナップ監督は振り返ったが、誰もが同じように思ったはずだ。

 だが、外傷によるものではない、と異変に気づいたボルトンの選手に続き、敵方のトットナムの選手たちも、ベンチ方向へ向かって「入って来い」と大きなジェスチャーを送った。

 両チームのドクターやフィジオセラピスト、スタジアムの医療チームらが次々とピッチへ入って行く。さらに試合を見に来ていた、トットナムファンである1人の循環器専門医も警備員に自らの職業を名乗ってピッチへ下りていき、救命活動を手伝ったのだ。

■心停止状態、懸命な救命措置

 3万6000人のファンも固唾をのんで見守るなか、医療チームの1人が心臓マッサージを始めたとき、誰もが、事態の深刻さに気づいた。

 心臓に電気ショックを与える除細動器が持ち込まれ、懸命な救命措置が続く。あとで分かったことだが、このとき倒れていたMFファブリス・ムアンバ(23)は心停止の状態だったという。

 近くでその様子を見守る選手たちの表情も次第に曇っていった。力を無くして他の選手に寄り添う選手、しゃがみこんで手を合わせる選手。宮市は両手を頭に当て、顔をしわくちゃにしながら、目の前で起こっているショッキングな出来事を見守っていた。

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