地震後24時間、通信を死守せよ 携帯を減災の基盤に

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2012/3/4 7:00
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2011年3月11日に起きた東日本大震災では、電力とともに通信の途絶が広範囲で起こり、被災地の混乱が深まった。広く普及した携帯電話は、平時の生活を格段に便利にした分、緊急事態で通話ができなかったことは利用者を深く落胆させた。いざというときに命綱の役目も期待される通信を、次の大災害に向けどのように強化すればよいのか。

宮城県石巻市内にある被災者向け仮設住宅「仮設大橋団地」。筆舌に尽くしがたい災禍をくぐり抜けた人々が、ここに身を寄せる。集会所を訪れると、ささやかなだんらんを楽しんでいた数人の女性が、あの日の出来事を振り返ってくれた。

仮設住宅の集会所で手芸を友人と楽しむ三浦美知子さん(右端)ら(宮城県石巻市の仮設大橋団地)

仮設住宅の集会所で手芸を友人と楽しむ三浦美知子さん(右端)ら(宮城県石巻市の仮設大橋団地)

「知り合いのおばあちゃんは、携帯で通話ができず、息子に安否を知らせるメールを送ろうとしているうちに津波で流されてしまった」。三浦美知子さん(69)は、こう話す。

巨大地震が起きた直後、多くの人々が身内や知り合いの安否や居所を確認しようと一斉に使い慣れた携帯を手に取った。

その通信量は、最大で通常の50~60倍に達し、たちどころに回線がパンク寸前になった。NTTドコモやKDDI、ソフトバンクモバイルなどは、音声通話に最大で95%の規制をかけざるを得なかった。つまり、100回かけても数回通じるかどうかという状態になった。

その影響は、巨大災害の渦中にいた人々にとって極めて大きかった。

1000年に一度と言われる規模の東日本大震災は、携帯電話が統計的に「国民一人一台」の水準まで普及した最中に直撃した。2011年12月末、日本の携帯電話の加入件数はおよそ1億2986万件に達した。

高速大容量のインターネットなど多様なコミュニケーションの手段が普及する21世紀。しかし、今回の巨大災害で浮き彫りになったのは、危機にひんした場合、ほとんどの人がまず、携帯による通話を選ぶという事実だった。

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