2018年11月14日(水)

マサイ族に広がるスマホ 携帯市場を支える中国
論説委員 関口和一

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2012/3/4 7:00
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東アフリカのケニア。マラソンやキリマンジャロで有名な国だが、最近、急速に普及しているのが携帯電話だ。普及率はなんと70%にも達する。独特な民族衣装で知られる「マサイ族」もスマートフォン(高機能携帯電話)を使っており、その普及を支えているのが中国からの輸出だ。偽物も多いが、アフリカでの中国企業の躍進がケニアの情報化を支えている。

アフリカのサバンナ草原に暮らすマサイ族。その手には中国製の携帯電話

アフリカのサバンナ草原に暮らすマサイ族。その手には中国製の携帯電話

ケニアの首都、ナイロビから車で約4時間。サバンナ草原に暮らす先住民のマサイ族は、今も牛の糞(ふん)と泥を混ぜて作った家に住む。牛の放牧で生計を立て、当然のことだが、電気や水道もない。そんな場所ながら、携帯電話の利用が拡大している。牛の群れの前と後ろで連絡をとりながら放牧するには、携帯電話は非常に便利な道具というわけだ。

■ナイロビを席巻する中国製の偽物ブランド

ケニア人の平均年収は約8万円。低い所得水準にもかかわらず、携帯電話を持てるのはなぜなのか。ナイロビ市内には携帯電話の専門店も増えているが、日本円にして3000円くらいから買えるのは、その多くが中国からの偽物で占められているからだ。フィンランドの携帯電話メーカー最大手、NOKIA(ノキア)のブランドを冠したものから、「OKIA(オキア)」や「iPhone(アイフォーン)5」など実在しない偽物ブランドまで、種類は様々だ。だが、携帯電話としては立派に使えるものだという。

電池の充電はどうするかというと、これまた中国製の太陽光発電パネルを屋根の上に置き、自前で充電する。赤道直下だけに充電効率は抜群で、パネルを購入しても、近隣の携帯電話利用者に1回20円くらいで充電してあげたり、電気バリカンで散髪業などを営んだりすれば、すぐに元はとれるそうだ。まさに電気についても「自給自足」の経済が生まれている。

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