2019年5月23日(木)

転ばぬ先の頭金 住宅ローン活用術(下)
無理せず返済、売却損避ける 余裕できたら繰り上げに

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2012/2/12 7:00
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 住宅ローンは金利にばかり目が向きがちだが、最も重要なのは無理のない返済計画を立てることだ。完済までのローン負担を軽くするにはどのような方法があるのか。頭金の役割と、繰り上げ返済の効果についてまとめた。

会社員のAさん(29)は東京都杉並区に戸建てを新築した。用意できた400万円は不動産会社への仲介手数料などに消え、物件価格に頭金を入れずに35年の変動金利型ローンを組んだ。銀行からの問い合わせもなく「あっさり買えたが……」とAさん。

「マイホームは物件価格に対して2割以上の頭金を入れないと買えない」というのは過去の話。今や2割の頭金を用意している人は「全体の2割ぐらい」(メガバンク)という。Aさんのように頭金ゼロの人も珍しくない。

だが住宅ローンの場合、金融機関が貸してくれる額が、自分にとって無理なく返せる額と考えるのは間違いだ。「頭金ゼロで高額の住宅ローンを組むのは危険」とファイナンシャルプランナー(FP)の西沢京子氏は指摘する。

■2割近く用意を

頭金を用意するメリットは、金融機関からの借入額が少なく済むことだけではない。不測の事態や住み替えで物件を売却するときに、手放しやすくなるという点も大きい。

図Aは住宅価格の下がり方と、一般的な固定金利型の住宅ローンを組んだ際の残高の減り方のイメージだ。首都圏中古マンションの築年数ごとの販売価格を調べたデータをもとに作成した。長期のローンを組んで新築物件を購入すると、しばらくはローン残高の減り方に比べて住宅価格の下落ペースが大きい。

頭金ゼロで買った家を数年後に売ると、物件の売却価格よりローン残高が大きく、ローン返済のために差額の現金を用意しなければならない場合がある。いわゆるオーバーローンだ。

一方、頭金を用意できれば住宅価格とローン残高の差は縮まり、リスクは減る。西沢氏は「物件価格に対して頭金を2割近く用意できない人は、住宅購入を考え直すべきだ」と指摘する。

住宅ローンの総支払額を抑えるには頭金を用意し、返済年数をできるだけ短くするのが良策だ。だが長期の返済過程では子どもの教育資金が必要になったり、転職を迫られたり、予期しないことが起こる。FPの高田晶子氏は「将来のリスクを考慮し、月々のローン返済額は余裕を持ち、返済年数は当初は長めに設定するのが安心」と助言する。

返済を始めた後に、余裕資金がたまったら、ローンの一部を繰り上げて返済することも可能だ。繰り上げ返済すれば、返済年数を短くしたり、毎月返済額を減らしたりすることができる。

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