ソーシャルゲームが抱える潜在リスク 「射幸心」あおる仕組みとは
ゲームジャーナリスト 新 清士

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2012/1/25 7:00
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ユーザーが納得して支払っているとはいえ、一人のユーザーから月にいくらまでなら、課金することが妥当なのか、社会的なコンセンサスができているとは言い難い。ソーシャルゲーム各社にとって、ユーザーがどの程度の料金を支払い、年齢や性別、職業など、どのような分布になっているかという情報は、最大の企業秘密だ。表に出てくることはまずない。

■業界団体で自主規制する時期はくるのか?

相対的な比較としてパチンコ・パチスロの例を挙げよう。05年に財団法人社会安全研究財団が行った調査では、パチンコ・パチスロの一回の投資額(戻ってくる場合があるため利用額とは言わない)は、1万1500円~1万3100円で、月来店の頻度は約3回という結果がでている。パチンコ・パチスロのユーザーの月平均利用額の概算は3万4500円~3万9300円。この金額が社会的に適切かどうかは判断が難しいが、一つの目安にはなると考えられる。

日本遊技機工業組合の公式ページ

日本遊技機工業組合の公式ページ

パチンコ・パチスロの業界団体である日本遊技機工業組合は、「風営法に基づいた遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」を意識しながら、内規によって自主規制を定めている。今後、類似するようなルールを、DeNAやグリーといったソーシャルゲーム会社が共同で決める事態が生まれる可能性はある。

国民生活センターの「最近の事例」(昨年12月の更新)では、アイテムを獲得する確率の問題は、相談の中には含まれておらず、ユーザー側から問題視する動きは見えていない。ガチャの人気は日本特有のもので、海外の法令も参考にならない。とはいえ、今後何かの出来事をきっかけにして、社会問題化するリスクを内包していることは、意識しておいた方がいいだろう。

新清士(しん・きよし)
1970年生まれ。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲーム会社で営業、企画職を経験後、ゲーム産業を中心としたジャーナリストに。国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)副代表、立命館大学映像学部非常勤講師、日本デジタルゲーム学会(digrajapan)理事なども務める。
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