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史上2人目、2年連続「最強の剣士」 剣道・高鍋進(上)

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2011/12/24 7:00
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メンを放とうとする東永幸浩(埼玉県警)の喉元を剣先が鋭く捉える。東永の体がグッとのけ反ると、赤旗が3本上がった。11月3日、文化の日恒例の全日本剣道選手権決勝。12年ぶりの全日本連覇を引き寄せた高鍋進(35、神奈川県警)の圧巻のツキに、日本武道館の観衆は大きくどよめいた。

いつもと同じ挑戦者の気持ちで偉業をつかんだ

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■師弟での快挙達成

来年60回の節目を迎える全日本剣道の歴史の中で連覇を成し遂げた剣士はそれまでたった1人。現在神奈川県警で監督を務め、高鍋の師でもある宮崎正裕に続く、師弟での快挙達成の瞬間だった。

同じ武道でも柔道の全日本選手権では連覇は少なくない。山下泰裕(9連覇)小川直也(5連覇)のように一定期間、王者に君臨し続けた選手もいる。だが、剣道では「全日本の連覇はできない」と言われ続けた。宮崎という不世出の剣士によってそのジンクスは2度破られたが、連覇の難しさは今も変わらない。

剣道の試合は有効打2本先取で勝ちが決まる。先制されても2本取り返せば勝てるわけだが、今大会の63試合で逆転勝ちはわずかに2試合。1本勝負の延長戦に入ることも多く、実際は最初の1本でほぼ命運が決まる。

■昨年、8回目の挑戦で初の日本一に

地力で勝っていても一瞬の心の隙を突かれれば勝利を逃すのが剣道の試合だ。宮崎が2度目の連覇を果たした1999年以降も、新たな王者が生まれては翌年に引きずり下ろされるという繰り返しだった。

高鍋が初めて日本一に輝いた2010年は、8回目の挑戦だった。当時34歳。「ラストチャンスのつもりだった」と明かす。「ここで取れないなら、もう取れない。負けるようならもう出場するのも無理だと思って臨んだ」

「負けてもいいから、腹をくくって堂々とした剣道をしよう」と心掛け、得意のメンを次々と決めて勝ち上がった。決勝でも前年覇者の内村良一(警視庁)からメンを奪い、悲願の天皇杯を抱いた。

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