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全ホールを5であがる 「オール5の通信簿」を取れ(終)

 これまですべてのホールをボギーオンでボギーであがるゴルフを提唱してきた久富章嗣さんが、今回、新たにすべてのホールを5であがる「オール5」のゴルフを提案してきた。「通信簿でもオール5が一番いいでしょう」というのだが、その真意は何か? 最終回は「フェアウェイウッドの名手になれ」と説いていて、簡単なパンチショットの打ち方などを紹介しています。
(日本経済新聞出版社「書斎のゴルフ Vol12」から)

──ここまでの話をまとめると、パー5はセカンドが大切で、一般的に言われている残り100ヤードでなくてもいい。そして3オンに執着する必要もなくて、残り150ヤードくらいから乗らなくてもいいと思って打ったほうが結果がよくなるし、ティーショット、セカンドともプレッシャーが少なくなる。そして乗らなかったら9番アイアンで転がし、あるいはピッチ&ランで寄せると。これがパーへの近道だということですね。

久富 その通りですね。

──そこで1つ疑問があります。久富さんは以前からフェアウェイウッドの名手になれと言ってきました。とりわけ3番ウッド、つまりスプーンを使いこなせるようになれと。これならミスショットしても150ヤードは行くからということでした。そうすれば、直ドラもできるようになるというおまけまで付きました。おまけはともかく、今回のラウンドでは7番ウッドを使えという場面が多かったのですが、それはどうしてでしょう。

久富 私は6番ウッドですけどね。

──かなり多用してましたね。6番ウッド1本でラウンドできるのではないかと思うぐらいでした。

久富 やろうと思えばできますが……。まあそれはともかく、簡単に言うと、6番ウッドや7番ウッドはやさしいんですね。スプーンを使えるようになれという考えはもちろん今も変わりません。

ですが皆さんも、そして一般ゴルファーもそうですが、まだスプーンを使いこなしているとは言えませんね。

ミスをしても150ヤードは行くのだからといっても、ミスをするとそれが尾を引きますよね。そうすると次のショットで無理をしてしまいます。そして、今回はスコアをまとめる、パー5をパーにする方法ということでしたので、セカンドのミスだけはできるだけして欲しくなかったからです。

──そうすると、スプーンは使わなくてもいいということですか。

久富 いえいえ。スプーンを使うのは長いパー4です。400ヤード近いパー4ではティーショットをフェアウェイ、まあ少しくらいなら外れてもいいでしょう、そこに置いておくことが重要ですね。ですから、方向性を重視してドライバーで軽く打つ、あるいはスプーン、さらにはアイアンでもいいでしょう。

自信を持てる、あるいは安心して打てるクラブでティーショットをすることが第一歩です。そうすると、当然セカンドの残り距離は長くなりますね。そういうときにセカンドでグリーンの周りに近づけておけば、なんとかなるでしょう。そのためにスプーンの練習をしておくべきですよというわけです。

──そういうことだったのですね。では、パー5のセカンドで7番ウッドを使うメリットは何でしょうか。

久富 まず、ロフトがありますから、ボールが上がりやすいことです。その結果、ボールを上げようとする余分な動きがなくなります。次に距離を欲張りませんから、大振りがなくなります。その結果ミスが起こりにくくなります。ショットのミスで多いのはボールを上げようとすることと、飛ばそうとすることですからね。

──それは何度も注意を受けています。それともう1つパンチショットをするということでした。今回のラウンドの目的の1つでもありました。

久富 そうでしたね。皆さんにはパンチショットの打ち方をスタート前の練習でやってもらいました。そのときにはクラブヘッドをループさせて、アウトサイドインに振り抜くという、少しレベルを上げたレッスンをしましたが、読者の皆さんにはもう少し簡単なパンチショットを紹介したいと思います。

──お願いします。

久富 まず、ボール位置が大切です。スタンスの中央から右足つま先の前までの間にボールをセットします。本来はつま先前としたいのですが、慣れていないと違和感があって拒否されてしまうかもしれないので、中央あたりから始めるのがいいでしょう。

そのボールに上から右手でクラブヘッドを落とすのです。そして、スイングはほぼインパクトで終了です。したがって、フォローはとらなくてもいいのです。クラブが腰の高さになるくらいの大きさです。つまり、振り上げる動作はどこにもありません。

──久富さんが打ったスタートホールの北コースの1番ホール(490ヤード、パー5)、3打目のスプーンもそうですか。

久富 そうです。しかも乗せようとは思っていませんでしたから。だから上手くいったのだと思います。

──ティーショットを敢えてアイアンで打ったのに、それをミスしたので、セカンドは6番ウッド、そして第3打がスプーン。そして2パットのパーと5であがる課題はクリアできたわけですが、ポイントとなるのはスプーンのショットでしょうか。

久富 それはセカンドでしょう。ライも悪くて当然長い距離は望めません、そこで165ヤードから170ヤードを安心して打てる6番ウッドでフェアウェイに置くことだけを考えていました。

それに、ティーショットをミスした時点で、パーではなくボギーでいいと、考えを切り替えていました。なぜなら、3打目も残りは210ヤードですよ。グリーンを狙える距離ではないですよ。

──その切り替え、つまり5であがるための計画、久富さんは青写真と呼んでいますが、それを書き換えたわけですね。その柔軟さが、パーを呼び込んだのですね。今回はオール5というのが目標だったのですが、5が無理だと思えば6、あるいは7に、どうやれば、最小の被害で済むかを考えるということでもありますね。

久富 その通りです。いくら目標を設定していても、その日の調子で無理だなと思えば切り替えていいのです。ただ、どうすればパーに近づくプレーができるのかを常に考えてプレーしようということです。それも18ホール全体を通してスコアをどうまとめればいいのかを考えながらプレーするのに、オール5という考え方を取り入れましょうということです。実際に効果はあったでしょう。

──確かにありました。例えば、パー4の場合、ボギーという言葉より、5という数字のほうが気分的に楽ですね。これは個人的な感覚かもしませんが。オールボギーの場合、ボギーで収めなければという義務感がありますが、5というとそれが少し和らぎます。

次にパー3を5でいいのだと思うともっと楽ですね。乗らなくてもいいし、バンカーでもいいやとなります。乗らなかった場合でもそこから4打かけてもいいのですから楽になります。

久富 そう感じてもらえれば、今回のラウンドは成功したといえます。付け加えておくと100切り、つまり90台を出したいというゴルファーはオール6と目標を設定して試してください。

──なるほど。でも、通信簿はやっぱりオール5が気分がいいですね(笑)。

(文:山田誠 撮影協力:浅見カントリー倶楽部)

 ひさとみ・あきつぐ 1951年生まれ。日本大学ゴルフ部では主将を務め、アマチュアとして全英オープンの予選出場の経験を持つ。独自のゴルフ理論を展開し、これまでに多くのアマチュアをシングル入りさせている。全国に厚い信奉者がいるアマチュア向けレッスンの実力者。

書斎のゴルフ VOL.12―読めば読むほど上手くなる教養ゴルフ誌

著者:
出版:日本経済新聞出版社
価格:1,280円(税込み)

月いちゴルファーが、80台で上がれる「勝負脳」をつくる本 (日経プレミアシリーズ) (日経プレミアシリーズ 121)

著者:久富 章嗣.
出版:日本経済新聞出版社
価格:935円(税込み)

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