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サッカーコーチング(城福浩)

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ブラジルW杯へ、対照的な日韓の代表作り

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2011/11/1 7:00
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2014年ワールドカップ(W杯)ブラジル大会アジア3次予選のタジキスタン戦に備えて、日本代表がベトナムと戦っていた10月7日、私は韓国にいた。韓国のフル代表とU-22(22歳以下)代表の強化試合に個人的な興味があって見に行ったのだ。そこで代表チームの強化をめぐる日韓の相違を強烈に感じることになった。

フル代表への大歓声、「消された」U-22代表

舞台は2002年W杯日韓大会で開幕戦に使われたソウルのワールドカップ・スタジアム。17時半からU-22の韓国代表とウズベキスタン代表の試合が前座として行われ、20時からフル代表の韓国とポーランドの試合が行われた。スコアはU-22の韓国は5-1で大勝、フル代表の方は2-2で引き分けた。私が、現在の韓国の代表強化の現状を象徴するシーンを目撃したのは"前座"と"メーンイベンター"が入れ替わる、まさにその瞬間だった。

当然のことながら、U-22の試合は観客が少なかった。17時半キックオフでは仕事が終わって駆けつけられる時間ではない。公式発表は1万人。それでも試合終了のころにはぼちぼちお客さんも増え、選手たちはサポーターへの御礼を兼ね場内一周を始めた。ちょうどゴール裏のサポーター席の前を通りかかったころだった。フル代表の面々がウオームアップのためにピッチに現れたのである。

すると、どうだろう。それまで儀礼的な拍手をU-22の面々に送っていたサポーターが「待ってました!」とばかりに、女性の黄色い悲鳴も交じった大歓声を上げたのである。一瞬にしてその場からU-22代表は消去されたかのように。

背景に監督間の確執も

この扱いの格差の背景にはフル代表の趙広来監督とU-22代表の洪明甫監督の確執があるという。2011年のアジアカップを最後に韓国はスーパースターの朴智星(マンチェスター・ユナイテッド)が代表を引退、長らく左サイドを守り続けた李栄杓もその後を追った。

それを機に一気にチームの若返りを図ろうとする趙広来監督は来年のロンドン五輪で主力になるべき選手をどんどんフル代表に呼び集めている。この日のポーランド戦でいえば、招集した24人中、なんと10人がロンドン五輪出場有資格者(1989年1月1日以降生まれ)だった。

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