悠々球論(権藤博)

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飛ばないボールで飛べなかった今年のプロ野球

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2011/10/30 7:00
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静かなプロ野球のレギュラーシーズンが終わった。飛びにくいボールの採用で、野球の風景も一変。派手なドンパチが少なく、息詰まる投手戦も一皮むけば味気ない貧打戦。玄人受けはしたかもしれないが、多くのファンは楽しめたのだろうか。

■使用球の統一は英断だったが

五輪やワールド・ベースボール・クラシック(WBC)などの国際舞台で必ず問題になるのが、使用球だった。

日本で普段使っているボールは国際球と比べて、飛びすぎたり、手触りが違ったりで打者も投手も勘が狂う。また、日本では数社の球が公認されていて、球団ごとに使う球も違っていた。

これではとても国際的に通用しないということで、加藤良三コミッショナーが使用球の統一を進めたのは英断だった。

「世界標準」という言葉に敏感で、国際社会の流れがこうだといわれると、つい右ならいしてしまうのが日本人。コミッショナーの決断がみんなに支持されたのもうなずけるが、今年のボールはショーとしての野球には向かない球だった。

■投高打低だった半世紀前に戻ったような数字

各リーグの打撃10傑で、打率3割以上だったのはセ・リーグが4人、パ・リーグが5人。投手の防御率は半世紀前の投高打低の時代を再現したかのような数字が並んで、大エースがそろうパ・リーグは田中将大(楽天)の1.27を筆頭に1点台が4人、セも吉見一起(中日)、内海哲也(巨人)の2人が1点台をマークした。

いつも投手コーチの気分で野球をみている私としては、この傾向は悪くないのだが、逆に教えていた人は面白くなかっただろうな、とも思う。

そこそこの投球をすればだれでも2点台の防御率が出せるというのでは誰がコーチをしても同じではないか……。

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