2019年6月17日(月)

悠々球論(権藤博)

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斎藤佑樹の爽やかさの陰に潜んだ計り知れぬ実力

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2011/9/4 7:00
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この爽やかな風貌と、挫折のザの字もない"履歴書"にだまされてはいけない……。5勝目(8月27日、対西武)を挙げ、本領を発揮してきた日本ハム・斎藤佑樹の姿に、私は今、初めて会ったときの印象が間違いなかったことを確信しつつある。

■あんなきれいな顔は見たことない

もう遠い記憶のようになってしまったが、あの澄んだ瞳は今もありありと思い出すことができる。うわさの斎藤と初めて対面したのは今年2月16日、日本ハムの名護キャンプを訪ねたときだった。

かつて近鉄で一緒だった吉井理人投手コーチに引き合わせてもらった斎藤は一点の曇りもない澄み切った顔をしていた。

「プロ野球選手の顔っていうのはどこかにくすんだ部分とか、ギトっと脂ぎったものがあるんだ。それまでの苦労とか、いっちょうやってやるぞっていう野心とか、そういうものがにじみ出るんだろうな。それが普通の野球選手。ところがさ、斎藤にはないんだよ、ギラついたものが。おれも長年プロ野球で飯食ってるけど、あんなきれいな顔は見たことないな」

■「ここ一番」で活躍する男

同行していた新聞記者にそういうと、どこをどう取り違えたものか「そうですか。やっぱりプロでは通用しませんか」と返してきた。

「違うよ。やつは俺たちには計り知れない男だってことだよ。評論家連中は通用しないと言ってるが、この試合だけは落とせんというレギュラーシーズンの『ここ一番』とか、クライマックス・シリーズの要所で活躍する男だと俺は思うよ」

記者はポカンとしていたが、私は斎藤が発散している何か底知れないものをそのとき感じ取ったのである。

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