2018年11月19日(月)

排ガス不正から見える「1000万台の壁」
奥平和行編集委員に聞く

日経プラス10「フカヨミ」
2018/7/16 10:00
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ニュースを詳しく解説する「フカヨミ」コーナー。日産自動車の排ガス検査を巡る不正問題について、日本経済新聞の奥平和行編集委員に聞きました。

小谷キャスター

小谷キャスター

奥平編集委員(7月9日出演)

奥平編集委員(7月9日出演)


▼ニュースの骨子
 日産自動車は9日、国内5つの完成車工場で、新車の出荷前に実施する排出ガスデータの検査で測定値を改ざんしていたと発表した。決められた試験環境と異なる条件で測定をしていたほか、排ガスの成分値の一部を書き換えており、不正の対象は1171台。日産は2017年9月に無資格者が完成検査をする不正が発覚しており品質管理の姿勢が問われている。

奥平編集委員の解説要旨は以下の通りです。

■業界最大のテーマでの「裏切り」

「自動車業界にとって排ガスは、燃費と並ぶ重要なテーマです。歴史的にみても、業界の重要な節目は排ガス規制への対応でつくられたことが多いのです。例えばホンダが米国で躍進したのは、1970年代に非常に厳しい規制に対応できたためです。トヨタ自動車とスズキは現在提携関係にありますが、さかのぼれば同じく70年代に、規制に対応できなかったスズキをトヨタが支援したことが発端のひとつといわれています。これほど重要なテーマで日産自動車は『嘘』をついたわけです。この裏切り行為は非常に重大です」

■「大台」への焦りか、規模拡大の弊害か

「今回の問題の背景には、もしかすると自動車業界に『1000万台の壁』があるのではないかと考えています。年間の生産・販売台数が1000万台に差し掛かる時期に、不思議に問題に直面する事例が多いのです。トヨタ自動車は大規模リコール問題を引き起こし、豊田章男社長は米国の議会の公聴会に呼ばれる事態になりました。独フォルクスワーゲン(VW)も、ディーゼル車の排ガス不正問題が発覚しました。(1)1000万台という大台超えに向けた焦りやプレッシャーがあるのではないか(2)目標達成を目指すあまり、短期志向に陥るのではないか(3)組織が大きくなり、それまでのコミュニケーションの手法が機能不全に陥るのではないか――など、様々な理由が考えられます。今回の問題の真相究明を待ちたいと思います」

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