2018年11月16日(金)

先行き警戒感の広がり映した短観
清水功哉編集委員に聞く

日経プラス10「フカヨミ」
2018/7/9 10:00
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ニュースを詳しく解説する「フカヨミ」コーナー。日銀が2日に発表した短観について、日本経済新聞の清水功哉編集委員に聞きました。

小谷キャスター

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清水編集委員(7月2日出演)

清水編集委員(7月2日出演)


▼ニュースの骨子
 日銀が2日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業・製造業でプラス21となり、前回3月調査から3ポイント悪化した。悪化は2四半期連続。人手不足や原材料価格の上昇によるコスト高が景況感を下押しした。(業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値)

清水編集委員の解説要旨は以下の通りです。

■貿易戦争など3つの懸念

「今回は経営者の間で先行きへの警戒感が一段と広がっていることが確認された短観といえるでしょう。『原材料高』『人手不足』『貿易戦争の拡大』の3つが懸念材料。設備投資が異例の強さでしたが、これも人手不足に対応するための省力化投資が中心でしょう」

「大企業・製造業の業況判断DIが2期連続で悪化。しかし先行きについては横ばいとの結果でした。これは3つの懸念のうち、貿易戦争に対する懸念が十分に反映されていないからです。短観の聞き取りは企業の財務担当が対象で、貿易戦争の問題のようにしっかりと数字の裏付けがされていない事柄については、それを織り込んだ回答をしない傾向があります。それでも2期連続の悪化になったことが重要で、日本経済新聞の『社長100人アンケート』をみると保護主義に対する経営者の警戒感はすでに強まっており、今後の短観にも反映されるでしょう。先行きは横ばいというより、実質的には悪化と考えた方がいいと思います。『人手不足』に関しても足元では人手不足感が和らいでいますが、これも4月に企業が新卒採用をした後に行われる6月調査の『癖』のようなもので、実際には特に中堅・中小企業の不足感は強まっています」

■円高リスクに警戒を

「景気は踊り場的な状態になっていますが、設備投資計画はとても強く、すぐに腰折れする可能性は小さいでしょう。しかし円高リスクを注意すべきです」

「日銀は追加緩和とは距離を置き、現在の緩和政策を粘り強く続けるでしょう。緩和政策の長期化は金融機関の経営圧迫や年金や保険など資産運用への打撃といった副作用を強めます。いずれは政策修正の検討が必要になりそうですが、現時点では円高リスクへの配慮を優先する必要があります」

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