日本サッカー世界への挑戦

フォローする

なでしこ、世界が称賛したポゼッションサッカーの秘密
サッカージャーナリスト 大住良之

(3/6ページ)
2011/7/21 7:00
共有
印刷
その他

しかし、メキシコ戦では1位が宮間の12.1%、2位が阪口夢穂(新潟)の11.3%、3位が沢の10.7%とMF陣が上位に並び、DF陣は近賀が10.5%で4位に入っているにとどまっていた。

こう分析してみると、イングランド戦はDF間のパス、そしてDFへのバックパスが多かったことがわかる。

■「前」へ出せなかった沢と阪口

さらに、日本のパスサッカーの「へそ」とも言うべきボランチの2人、沢と阪口がパスをどこに出していたかを見ると、イングランド戦の問題点はよりいっそう明確に浮かび上がる。

この試合、沢は43本、阪口は41本のパスを出した。だがそのパスの行き先は、DFラインの選手ならびにGK海堀あゆみ(INAC)が、沢の場合は26本(60%)、阪口の場合は28本(68%)と圧倒的に多い。

沢から阪口へ、そして阪口から沢へのそれぞれ5本のパスを除くと、「攻撃陣」へのパスは沢が12本(28%)、阪口が8本(20%)と非常に少なかったのである。

この試合、イングランドはコンパクトで強固な守備のブロックをつくり、日本のパスがその中に入ってくるのを防いだ。それを突き崩すすべがなく、相手ゴールから遠いところでパスを回していたのが、この日のなでしこの「ポゼッション」だったのだ。

■阪口がボールを受ける回数が増える

だがその後の試合では、MF陣、とくに阪口がボールを受ける回数が増え、しかもそこから前方へのパスが増えていく。

決勝トーナメントに入って、阪口はドイツ戦で53本、スウェーデン戦で64本、そしてアメリカ戦では68本ものパスを受け、「依存率」では、それぞれ12.2%(2位)、13.6%(2位)、13.9%(1位)と上位を占めるようになった。

さらに前方へのパス率もドイツ戦では15本(31%)、スウェーデン戦では28本(41%)、アメリカ戦では23本(37%)と、イングランド戦と比較すると急上昇させている。

  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 次へ

日経電子版が最長2月末まで無料!
初割は1/24締切!無料期間中の解約OK!

共有
印刷
その他

電子版トップスポーツトップ

日本サッカー世界への挑戦 一覧

フォローする
天皇杯サッカーで初優勝を果たし、喜ぶ神戸イレブン=共同共同

 元日に新国立競技場で行われたサッカーの天皇杯全日本選手権決勝、なかでも前半45分間のヴィッセル神戸の出来は出色だった。Jリーグ時代になってから最も成功したクラブであり、毎年優勝争いに加わる鹿島アント …続き (1/9)

森保監督(右)は22年から逆算して日本代表を世界に向けて大きく飛躍させようとしている=共同共同

 森保一監督率いる日本代表は2019年に23試合を戦った。
 通常、国際サッカー連盟(FIFA)が定める「国際マッチデー」で可能な試合数は年間10。だが今年は1月にアジアカップ(アラブ首長国連邦=UAE …続き (2019/12/26)

横浜Mのポステコグルー監督は就任時からアグレッシブな戦術が目を引いた=共同共同

 アンジェ・ポステコグルー監督率いる横浜F・マリノスの優勝は、Jリーグ27シーズンの歴史でも特筆されるべき出来事だった。
 これまでの優勝チームは、多かれ少なかれ、所属選手をうまくかみ合わせた、あるいは …続き (2019/12/12)

ハイライト・スポーツ

[PR]