2017年11月23日(木)

身近な道具で紙を修復

2011/7/18 18:04
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 夏を迎え、津波の被害を受けた紙の資料が危機にひんしている。岩手県大船渡市では、腐食やカビの増殖が進む前に少しでも多くの思い出の品を救いたいと、身近な道具を使った修復への取り組みが始まった。

津波の被害を受けたアルバムなどが届けられる岩手県大船渡市の「想い出ハウス」。がれきの中から見つかった写真や賞状が連日持ち込まれている(15日)

津波の被害を受けたアルバムなどが届けられる岩手県大船渡市の「想い出ハウス」。がれきの中から見つかった写真や賞状が連日持ち込まれている(15日)

カビや腐食を食い止めるため、6月下旬に電機メーカーから冷凍庫数台の提供を受けたが、即日いっぱいになってしまった。賞状などデリケートな紙の修復はなかなか進まない。大船渡市在住の紙本保存修復士、金野聡子さん(48)は頭を抱えていた(15日)

カビや腐食を食い止めるため、6月下旬に電機メーカーから冷凍庫数台の提供を受けたが、即日いっぱいになってしまった。賞状などデリケートな紙の修復はなかなか進まない。大船渡市在住の紙本保存修復士、金野聡子さん(48)は頭を抱えていた(15日)

そこへ紙媒体の修復支援をするボランティアグループ「東京文書救援隊」が簡単な方法を教えてくれることに。大船渡社会福祉協議会の臨時職員(手前)と掃除機を利用した「ドライクリーニングボックス」で賞状の汚れを吸い取る金野さん(15日)

そこへ紙媒体の修復支援をするボランティアグループ「東京文書救援隊」が簡単な方法を教えてくれることに。大船渡社会福祉協議会の臨時職員(手前)と掃除機を利用した「ドライクリーニングボックス」で賞状の汚れを吸い取る金野さん(15日)

ざっと汚れを落とした賞状を網戸のネットに挟んで水につける。上からハケでなでると、紙とネットの間に水流ができて汚れが落ちる。ネットを置くことで、文字が書かれているデリケートな部分を傷めにくくなる(14日)

ざっと汚れを落とした賞状を網戸のネットに挟んで水につける。上からハケでなでると、紙とネットの間に水流ができて汚れが落ちる。ネットを置くことで、文字が書かれているデリケートな部分を傷めにくくなる(14日)

洗浄が終わると、不織布、ろ紙、段ボールの順で挟み、扇風機で乾燥する(14日)

洗浄が終わると、不織布、ろ紙、段ボールの順で挟み、扇風機で乾燥する(14日)

段ボールの隙間を風が通り抜けることで効率的に水分が抜ける。これまでは丸1日かかっていたが、2時間から4時間で乾燥できるようになった(14日)

段ボールの隙間を風が通り抜けることで効率的に水分が抜ける。これまでは丸1日かかっていたが、2時間から4時間で乾燥できるようになった(14日)

水分計で測定すると8パーセント。室内にある紙の水準になった(14日)

水分計で測定すると8パーセント。室内にある紙の水準になった(14日)

洗浄工程が易しくなったことで、金野さんのような専門家でなくても修復作業ができるという。夏を迎え、修復士やボランティアの戦いは激しさを増している(15日)=写真 比奈田悠佑

洗浄工程が易しくなったことで、金野さんのような専門家でなくても修復作業ができるという。夏を迎え、修復士やボランティアの戦いは激しさを増している(15日)=写真 比奈田悠佑

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