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なでしこ、耐えて粘って頂点 沢・宮間が起死回生弾

(更新)

なでしこは「華麗」なだけではなく、「たくましさ」も持っていた。17日行われたサッカー女子ワールドカップ(W杯)決勝。劣勢を耐えしのぎ、粘りに粘った末に日本女子が世界一の座をつかみ取った。過去24試合の対戦で一度も勝てなかった世界ランキング1位の米国を相手に、2度も追いつきPK戦で下す大金星だ。

延長戦を含めた120分間のほとんどで、日本は耐える側だった。持ち味の技術で米国のパワーをかわすはずが、逆に相手の強烈なプレスを受けてなかなか前へ進めない。

キックオフ直後にいきなり守備ラインの裏を突かれてゴールに迫られると、ここから米国の猛攻にさらされた。

何とかゴールを守って反攻の機会をうかがっても、中盤で大柄な選手に囲まれてパスコースが見つからず、苦し紛れの縦へのロングボールを奪われては攻め込まれた。

この"暴風雨"のような時間帯をなんとか切り抜けられたのはツキもあった。18分に至近距離から打たれたシュートはポストを直撃。29分には相手のエースFWワンバックの強烈な左足シュートがバーをたたき、49分にもサイド突破からクロスにゴール前で合わされたがポストに救われた。

後半に入ると、69分にロングパス1本でDF陣の裏を取られ、モーガンの強烈なシュートでついに均衡を破られた。しかし、今大会の日本は追い込まれてからが強い。81分、右サイドから永里がクロスを入れると、相手DF2人が慌ててクリアミス。そこに詰めた宮間が奪って追いついた。

延長戦でも前半終了間際にワンバックのゴールで勝ち越される苦しい展開。日本のこの窮地を救ったのは、頼れる主将でエースの沢だった。残り時間4分を切って迎えた左CKでキッカーの宮間が助走に入るや、中央からニアサイドへ向けてダッシュ。

先に動き出した分だけ相手DFより"一足"早くボールに触れてゴールに突き刺した。敵味方がひしめくゴール前で瞬間的にマークを外し、さらにボレーで正確にボールを捉える素晴らしい技術が詰まった起死回生の同点ゴールだった。

2-2のまま決着がつかずにもつれこんだPK戦。その前に組んだ円陣で、佐々木監督と選手らに笑顔があった。このチームの持ち前の明るさに加えて、失うものはないという挑戦者の立場が余裕を生んだのだろう。ガチガチにこわばった表情でキックに向かう米国選手とは対照的で、この時点で「勝負あり」といった感じだった。

実際にPK戦ではGK海堀の勘がさえわたり、3-1で日本が圧倒。4人目の20歳、熊谷の勝利を決めるシュートがゴールを揺らすと、歓喜の輪ができた。

もうだめか、と思わせた逆境を何度も跳ね返した選手たち。決勝では華麗なパスサッカーを十分に披露できたとはいえないが、最後まで決してあきらめない強い精神力が日本サッカー初の快挙を生んだ。

準々決勝で3連覇を狙った開催国ドイツ、準決勝でスウェーデン、決勝で米国と強豪を次々に破って世界を驚かせ続けたなでしこジャパン。佐々木監督は「僕もびっくり。ちっちゃな娘たちが粘り強くやってくれた」と選手の頑張りをたたえた。

最優秀選手(MVP)と得点王のダブル受賞となった沢は「みんな最後まであきらめずに戦った結果。ずっと世界一を目標に戦ってきたので、まだ現実を受け止められないけれど本当にうれしい」と感無量の様子だった。

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