2018年6月25日(月)

財務省、森友問題の処分発表
坂本英二・日経新聞編集委員に聞く

日経プラス10「フカヨミ」
2018/6/11 10:00
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 ニュースを詳しく解説する「フカヨミ」コーナー。「森友」問題で財務省が発表した調査報告と関係者の処分について、坂本英二編集委員に聞きました。

水原アナウンサー

水原アナウンサー

坂本編集委員(6月4日出演)

坂本編集委員(6月4日出演)


▼ニュースの骨子
 学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる問題で、財務省は調査報告書を公表し、文書の改ざんや廃棄は当時、理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官が主導的役割を果たしたと総括した。同時に関係者20人の処分を発表、佐川氏は停職3か月の懲戒相当とした。麻生財務相は閣僚給与を12カ月分、自主的に返納すると発表した。

 坂本氏の解説要旨は以下の通りです。

■「動機」への言及、不十分

 「決裁文書の改ざんや交渉記録の廃棄は、麻生財務相や当時の福田次官は知らず、理財局は局長以下が組織的に関与していたという結論です。近畿財務局の職員の中には、指示を受けて従わなかった者もいる、との記述もありました。経緯はある程度わかったが、肝心の『動機』に対する言及は甘い。『最強官庁』といわれる財務省がなぜ、公文書の改ざんや廃棄という前代未聞の不祥事に手を染めたかという部分について、調査結果は『国会での更なる質問や審議の紛糾を避けるため』との説明にとどまっています。安倍首相が昨年2月17日に「私や妻が関係していれば首相も国会議員も辞める」と断言したことが隠蔽、廃棄、改ざんの大きなきっかけではないかという疑問にも、報告書は詳しく触れていません」

■支持率次第では財務相辞任論高まる

 「『停職』は公務員の処分としては『免職』の次に重い。しかし公文書を隠蔽・廃棄・改ざんしたという佐川氏の重大な行為に対して、その程度の処分で済むのかという批判はすでに出ています。大阪地検は5月末に佐川氏ら関係者を不起訴と判断しました。与党幹部はこれで一区切りついたという認識ですが、野党側はまったく納得していない。麻生財務相は潔く身を引くべき、との声は与党内にもあります」

 「昨年は防衛省・自衛隊で南スーダンPKOの日報問題で7月に当時の稲田朋美防衛相が辞任しました。世論の逆風が強まって政権も守りきれなかった。森友・加計問題をめぐる世論には『さらに徹底解明すべきだ』という意見と、『国会は不祥事追及ばかりじゃダメで、他の重要課題を審議しろ』という声の両方があります。安倍内閣の支持率は下がってきたとはいえ、5月時点で42%。これが急落するようなら麻生氏の辞任論が強まる可能性はあります。そうでない場合も8月か9月と想定される内閣改造での交代は十分あり得ると思います」

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