未来面「つくりかえよう。」

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農業と農村はどうすればもっと元気になる?
読者の提案 中家徹・全国農業協同組合中央会会長編

(2/4ページ)
2018/5/28 2:00
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■熟年パワーをうまく使おう

 小渕 眞(会社員、59歳)

農業従事者の悩みは、毎日作物の面倒を見るなど労力がかかるのに、生活維持の為の収入が獲得できない点ではないかと思う。サラリーマン程度の生活維持を目指す20~50代の働き世代は子供の養育費も必要で、日本の小中規模農業では生活の維持ができないと思う。逆に60歳(または65歳)以上の熟年者には、すでに生活を維持できており、生産の喜びや周りの期待に応えるために活躍したい方が大勢いるのではないか。ただ、移住して毎日農業をすることには足踏みをしてしまうという方は多数存在するし、興味があるが、都合が良いときだけ働きたいという要望もあると感じる。そこで農地に出向くスケジュールと農業の行程を管理できれば、熟年者のローテーションで農業を未来継続的に実施することができると思う。分散した小さい農場でも、付加価値を付けることで、競争力も上げられるのではないか。

■ブランディングと消費者のポジション変更

 藤村 美緒(会社員、40歳)

消費者対生産者の図式を崩す。消費者を観客にせず、オーナーであり生産補助者の立場にする必要がある。生産地、生産者、生産物のブランディングを柱に消費者の立場を変え、全員が生活習慣的に農業に関わる仕組みを作る。具体的には(1)地域をデザインで魅せ、ストーリーを売り、ファンを獲得する。消費者に「こんな珍しい地域を知っている」という優越感を与える所にする。(2)消費者が生産者をプロデュースし、現地体験し、過程に関わりながら消費する形を作ることで、「私が育てた」という意識で愛着を強めてもらう。(3)駅など地域内の料理人が、大喜利や勝ち抜き形式でライブクッキングをし、町全体で盛り上がりつつ食料廃棄を減らす。ゲーム的な要素にすることで、市民の視点が「より無駄にしないために何ができるか」に注力されるのではないか。

■インバウンド事業に応用する

 鳥丸 幹雄(会社員、46歳)

荒廃が進む農地の現状は、増え続ける空き家の問題と似ていると感じる。空き家を利用した訪日外国人向けの民泊が本格化している。それと同様に、農家が手放した農地を外国人観光客の体験の場として提供することを提案する。旅行に求める価値観が日本らしさの体験へとシフトしており、伝統的な農作業体験に関心を示す外国人は多いと思う。私は野菜が大好物で、直売所巡りが趣味の一つだ。将来は栽培も考えているが、知識や体力の面で不安がある。農作業体験は、手軽に参加でき、体力に応じたプログラムの設定といった工夫が必要と思う。国からの交付金給付は、訪問者に対する整備費用に充てられるようにすべきである。その農業体験から、本格的に農業を目指す人材が生み出される可能性もある。新たな人の流れを作ることによって、農村がもっと元気になると考える。

■農村で育児

 小片 優菜(中央大学商学部1年、18歳)

私の考えは耕作放棄地を若い人たち、特に若い夫婦に安く売ることだ。さらに農業をやってくれたら育児費の補助をしていけば良いと思う。そして人口増加が見込めるようになったら大きい街などへの交通の便を良くしていくべきだ。これによって、農村の人口そして農家が増えることが期待される。また農家の高齢化、将来の担い手減少の心配に多少は歯止めができると考える。まだあまりお金がない若い夫婦にとって土地を安く購入でき、さらに育児費の補助は魅力的なことだ。ただしそれだけでなく、安心して子育てできるよう保育所施設や学校が身近でなければならない。若い人たちにとって農村は何もなくて生活するのに不便な場所というイメージがある。しかし、農村に大型商業施設を建設することは不可能だ。だから大きな街に簡単にアクセスできるように交通の便を良くして、「何もないから生活するのが大変」という印象を変えていく必要がある。

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