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女性や外国人が活躍することで、10年後の日本企業はどう変わりますか?

読者の提案 越智仁・三菱ケミカルホールディングス社長編

越智社長の提示した「女性や外国人が活躍することで、10年後の日本企業はどう変わりますか?」という課題に対し、多数のご投稿をいただきました。紙面掲載分を含めて、当コーナーでその一部をご紹介します。

空きスペース活用

 一宮 沙希(早稲田大学文化構想学部4年、21歳)

10年後の日本企業では、オフィスの空きスペースの活用方法を考える、"場のデザイナー"が活躍するようになると私は想像する。近年注目を浴びているフレックスタイム制やリモートワークの導入が進むと、同じ時間帯に会社に出社する人が減り、社内の場所に空きが生まれることが予測できるからだ。空きスペースが、活用方法次第で、企業の課題解決を促す場や企業ビジョンの象徴となる可能性は大いにあり得る。例えば、皆が気軽に意見を交わしあえるカフェになるかもしれないし、外国人社員と日本人社員の子どもたちの異文化交流を兼ねた遊び場になるかもしれない。日本企業において女性や外国人が活躍するためには、育児休暇や外国との時差といった諸問題を解決する必要がある。解決にあたりフレックスタイム制やリモートワークの導入はさらに進むだろう。10年後、場のデザイナーが、限られた空間に新しい価値を生みだすことを私は期待したい。

MUSTからの解放

 藤倉 素子(自営業、53歳)

日本の女性はたくさんのMUSTに縛られている。特に仕事を持つ女性にその傾向が強い。仕事をしながら家事に手抜きをしてはいけないはなど。海外の女性は働きながらもバランスを保つ事を大事にする。年齢制限は設けず、何歳になっても学ぶ事を忘れない。学びたい時に学び、自分を成長させながら目的達成へ近づける。一握りのエリート女性だけが生き残るのでなく、幅広く女性が活躍できる。日本が持つMUSTの慣習を考える機会を与えてくれる外国人。仕事から一度離れることにより、人間的に深みが増した女性が活躍できる場所が作られる。やはり仕事だけの男性より、仕事以外の経験をする女性の方が考え方が柔軟だ。みんなと同じでないといけないという日本人が持つMUST。外からの影響でMUSTでなくCHOICEな世の中に変わって行くと思う。

今日から変わろう

 中田 千里(会社員、31歳)

私は一番変わるのが日本人だと思う。私自身は女性で海外出身、そして大企業に勤めている。このテーマにぴったり。長年私はずっと日本企業の未来に不安に思っている。女性の視点からすれば、管理職になる為に若い内、女性らしいキャリアプランへの理解や制度が非常に大事。結婚と出産という大きなイベントがある前提でどう育成するのかを考えるべきだ。外国人の視点からすれば、せっかく自分たちの国の文化を持っているのに、隣の人はあえてグーグルで検索しても自分に聞きに来てくれない。これでは世界と戦えない。女性管理職が30%に上り、外国人の執行役員がたくさん増えると、日本人の価値観や考え方はものすごく変わると思う。一人目が変わると二人目も変わる。管理職が変わると部下も変わる。真のグローバル企業を目指すなら、世界と戦っていく時にもっと視野を広く、異文化に心を開いてほしい。10年後?今日から変わろう!

【以上が紙面掲載のアイデア】

マンモスを狩れる会社に

 曽田 昌弘(会社員、38歳)

太古の昔、人々は狩猟採集で生活していた。一人で海に入り魚や貝を獲り、一人で山に入り獣や果物を獲って生活していた。しかし、巨大なマンモスには到底太刀打ちできなかった。人々は力を合わせることを覚え、集団でマンモスに挑んだ。だが、いくら屈強な男が集まっても丸腰では太刀打ちできなかった。体力が弱くこれまで狩りに呼ばれもしなかった者たちが立ち上がった。ある者は石器を、ある者は縄や網を、ある者は落とし穴を作った。初めてマンモスを狩ることができた。体力のある者と道具や罠を作ることが得意な者の心が通じ合った。人々の違いは、優劣ではなく得手不得手なのだと分かったのだ。2020年代、これまで小さなビジネスしかできなかった会社が、マンモスのように巨大なビジネスを行っているだろう。女性や外国人という得手不得手の異なる者が参加することで、戦略の幅が広がり、日本企業はマンモスを狩れるようになる。

本当のダイバーシティ

 丹下 義英(会社員、55歳)

日本の会社はまず必要な人材を選び出す能力を持つ人が適正なポジションとなり上に立つべきだ。能力を持った人が選べば、「女性」「外国人」も含めた「人物」であるだろう。そうした人たちが、会社だけでなく社会にはびこる、時代遅れや間違っている決まり事などをつくりかえ、国を超えて世界に通用するビジネスや新しいビジネスを生みだすことができると信じている。「変わる」ことが必要なものと「変えないもの」、「良いこと」と「良くないこと」を見極められる人たちで会社が運営され、さまざまな見方やとらえ方が共存する本当の意味でのダイバーシティの中でお互いを認め合い、切磋琢磨(せっさたくま)できれば5年、10年後の未来は明るいだろう。

グローバルなコミュニケーション、体験のチャンスを

 鎌田 倫行(会社員、54歳)

キャリアプランが年功序列から適材適所へ変われば、働く側は自分の活躍できる可能性がみえてくる。そうすると、自分のスキルが社会でどのように貢献できるかを意識してスキルアップするし、自分の働く場所を求めるため人材の流動性が高まる。この動きが、生産性の点で日本企業を世界水準まで高めると考える。また企業のグローバル化が進めば女性が活躍する場が増えると思う。これから日本ではオリンピックやパラリンピック、ラグビーワールドカップが開かれる予定で、グローバル化のチャンスが用意されている。このチャンスをとらえて、商売だけに目を奪われず、グローバルなコミュニケーションに結び付けられるような企業こそ、発展すると思う。企業は、社員が大会のボランティアなどに参加できる柔軟な勤務形態を整え、グローバルコミュニケーションを体験するチャンスを生かしてほしい。

総合力から統合力へ

 竹川 勝雄(会社役員、74歳)

性差などの属性に重きを置く評価から、企業市民等の経営理念の実現を正面に据えて関係部署からの評価も取り込んで人材を登用する。その過程で生じた軋轢も克服することで、社会的責任を果たす組織風土が築かれる。結果、創造力の発揮、さらには戦略実現へ全ての要件を方向付けする統合力によるマネジメントが主流となる。

グローバル化した世界での競争力には、創造力と統合力に加えネットワーキングの一般化がある。これらの創造力、統合力、ネットワーキングは関連付けられており、創造力には理念や社会的責任の共有が作用する。また、ネットワーキングは、当初決めたプロセスの順番で戦略を実現する従来のマネジメントから、プロセスの順番を適時に変えることを可能にする。マネジメントには否応なしに、戦略実現へ強力に方向付けする統合力が求められる。男女を問わず能力を活かす人材評価、登用制度が公開されるだろう。

助け合いを基本とした協調社会の確立

 牛見 靖則(会社員、65歳)

女性や外国人の活躍を手助けする道具や仕組みが確立されている。女性が活躍できるように、家事を女性に任せず、男性も家事を分担している。女性の非力をサポートするロボット(例えば、介護ロボット)が普及している。企業内に保育所を設置し、在宅勤務、男性の育児休暇取得が当たり前となっている。企業、政府・自治体は、思い切った育児手当、住宅手当を実施している。

外国人が活躍できる様に、日本人の奥底にくすぶる偏見が払拭され、フランクに英語で会話している。困っている外国人を見たら、勇気を出して気軽に手助けしている。外国人に日本語教育が十分に行われる仕組みが確立されている。女性・外国人が活躍できる前提として、自由に分け隔てなく、意見を言い合える職場環境が構築されている。企業、政府・自治体は、体制面、経済面で、継続的にサポートする仕組みが確立されている。

ひとが変える会社のカタチ

 岩神 幸平(会社員、26歳)

グローバル化の進展や従来の社会システムの変革の中で、社員の国籍や性別にとらわれない企業では、現存する社内の境界や領域が消滅、あるいは曖昧化していく。部署別の業務だけではなく、プロジェクト単位で国籍や所属を超えたチームを編成し、異なる経歴を持つ同僚と共に目的に向かって協働する。そうした経験を積むことで、多様な価値観に触れ、自らの視野を広げる。

また経営の意思決定の場を若手や外国人社員にも開放し、意見を求める機会を設ける。女性の活躍に必要な家事、育児の分担のため、例えば社内の育児施設を充実させる。社員同士が助け合いながら育児と業務を行うことで、男性は女性の視点、女性は男性の視点を養える。外国人や女性社員の登用を機に多種多様な経験、働き方を提供する企業は、社会貢献への最適解を自分自身で考え抜く社員を育て、次世代をリードする企業となる。

飛び級を喜ぶ企業

 倉島 研(専門職・教育関係、42歳)

日本の大企業では40歳を超える社員の多くは男性とのことで、10年後には50歳を超える社員の多くが男性であり、年功序列型では彼らが管理職となる。価値観はなかなか変わるものではないので、彼らが組織を牛耳る限り、日本企業の変化の程度は少ないと考えられる。

しかし、年齢や国籍、性別、障害の有無に関わらず、高い能力、創造性を示せば「飛び級」で管理職になれる昇進システムを組み込むとすれば、10年後は全く別の未来となるだろう。例えば、優秀な新入社員が入社後すぐに管理職となり、そのアイデアを実現するために、経験のあるものが補佐する体制でも良いだろう。年配の方と価値観が異なっているのが普通なので、大きな変化が見込める。

このような仕組みが全企業に導入され、それぞれに強烈な個性を持った企業が集まれば、多様性を認めるワクワクする日本となるのではないだろうか。

ダイバーシティ型企業のあり方

 今給黎 薫弘(慶応義塾大学商学研究科リーディング大学院、25歳)

主に3つの変化が連続的に生じると考える。1つ目は働き方の多様性の促進である。インターネットの普及が進み、テレワークをはじめとした個人に合った柔軟な働き方へのシフトは必然的に生じる。遠隔技術を用いた雇用スタイルが増え、「会社に行く」こと自体が徐々になくなっていくと考える。2つ目は組織形態だ。働き方や企業内人材の多様化に伴い、所属部署などそれまでの「縦の関係」から、部署を超えたつながりを持つ「横の関係」への変化である。コンサルティングファームに代表される、仕事にあった人材を選抜していく「適材適所」システムが普及する。3つ目は社員教育制度。従来、企業において行っていた一括的な社員教育が多様化で機能しなくなる。これにより一人ひとりにあった社員教育制度が確立し、博士のような専門性を持った人材の雇用が促進していくと考える。

教育現場での多様性

 野口 裕太(専門職・教育関係、34歳)

10年後の企業は、一気に進んだ多様化により社内の様子は大きく変わっているだろう。様々な背景の人たちが、互いにアイデアを出し合い、これまで以上にダイナミックな経済活動を生み出しているはずだ。企業はそのような革新的な動きが進むが、私が働いている教育の現場では、まだまだ多様化が進む見通しは乏しいと言わざるを得ない。日本で育った人たちの多くは、いずれ就職し、多様な人材が集う環境の中で働くことになる。それなのに、学校教育の現場では多様性に乏しい環境の中で日々の教育活動が行われている。これで世界の企業から求められる人材を育てることができるのだろうか。視野を海外に向けると、多様な国から生徒や教師を集め、ダイナミックな教育活動を展開し、大きな成果を上げている学校もある。少子高齢化の影響で、資源に乏しい日本はますます優れた人材の育成が求められている。教育現場にも革新的な動きが求められている。

マイノリティーが得するとみんな得する

 近藤 良樹(関西学院大学大学院国際学研究科1年、23歳)

女性を雇うことによって、ワークライフバランスの実現につながる。女性の中には仕事と子育てを両立したいと考える方が多いはず。そういった方が活躍することによって、ムダを省いて休みを増やす工夫や、フレキシブルに働けるための工夫を考えるはず。それは生産性の向上にもつながり経済を活性化させる。それに加え女性が管理職に就くことによって今は不平等な男女間の賃金が是正されていく。外国人は国によって就職活動の時期がバラバラなので、新卒一斉採用が意味を失う。通年採用にし、新卒の年齢基準を上げるなどの工夫が必要になる。これらを行うことにより学校を卒業してから起業や旅をする時間ができるはずだ。日本人の男性にも得な社会になる。いつでも就職して良く、フレキシブルに働け、休暇も取れる社会の中では個人の自由が増す結果につながる。結論、マイノリティーにとって良いことはマジョリティーにも良い。

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