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王貞治、我慢強さが生んだ「世界の本塁打王」
スポーツライター 浜田昭八

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2011/3/6 7:00
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「ホームラン王」は「四球王」でもあった。野球ファンならだれでも、王貞治が「世界の」という称号がつくホームラン王であることを知っている。だが同時に、王は通算2390のプロ野球最多四球記録も持っている。2位は落合博満の1475四球だから、こちらの記録も群を抜いている。

■ボール球での誘いに決して乗らず

川上哲治監督時代の1965~73年に9年連続日本一となった巨人と日本シリーズで5度対戦し、ことごとく敗れ去った阪急の主力投手たちは「巨人勢はボールに手を出さない」と嘆いた。

中でも王は、落ちたり浮き上がったりするボール球での誘いに、決して乗らなかった。

強く振る長距離打者は概して三振も多い。まして王は、ミートの精度が落ちる一本足打法。だが、三振は歴代トップの清原和博の1955や2位の秋山幸二が記録した1712よりはるかに少ない1319である。

■シーズン3桁三振は1度だけ

シーズン3桁三振を喫したのはプロ入り2年目の60年に一度、101三振を記録したときだけだ。

一本足打法を支える下半身が強かった、選球眼が優れていたことなどが、本塁打と四球が多く、三振が少なかった理由として挙げられる。

しかし、それ以上に王がチームプレーに忠実で、我慢強かったことが背景にあるのではないか。

チーム最大の得点源である強打者は、わがままを見過ごされることも多いもの。3ボール0ストライクから、少々ボールくさい球に手を出して凡退してもOKだったり、守備や走塁で小さなミスをしたりしたとしても黙認される。

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