悠々球論(権藤博)

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ベイスターズ、このままでは勝てないぞ

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2011/2/20 7:00
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ああ、ここに谷繁(元信=中日)がいたらなあ……。最下位から脱出しようともがく横浜ベイスターズのキャンプを訪ねてみて、そんな思いが胸をよぎった。

キャンプ地、沖縄・宜野湾の球場に東シナ海から吹いてくる湿り気を含んだ風のにおいは、私が指揮を執っていた10年余り前と変わらない。しかし、そこにあるのは変わり果てたチームの姿だった。

■かつての横浜にあって今はないもの

かつての強かった横浜にあって、今の横浜にないものははっきりしている。それは遊び心だ。この遊び心を発揮して、横浜の屋台骨になっていたのが捕手の谷繁だった。

遊び心があるかないかが如実に表れるのが、負けているときのリードだ。普通の捕手はこれ以上失点してはなるまいと余計に固くなって、四角四面のリードをする。

谷繁あたりになると違う。今日は負け試合と判断したら、遊ぶ、遊ぶ。打者の内懐をしつこく突いてみたり、直球ばかり続けてみたり。変化球投手でもガンガン直球で攻めさせる。

■"ちゃらんぽらんな"リードに映るが…

試合を投げたようにも映る"ちゃらんぽらんな"リード。しかし、相手からすればこれほど嫌なことはない。

「真っすぐばかりきているけれど、あしたの試合もそうなのかな? いや、このピッチャーの球威で直球勝負はあり得ない。ということは、エサをまいているのかな?」

勝ち試合の中にも、すでに相手打者には迷いが生じている。相手打者はすっきりしないまま眠りにつき、釈然としないものを抱えながら、次の試合の打席に向かうことになるのだ。谷繁の遊び心が、なんともいえない嫌がらせ効果を発揮していたのである。

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