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日本の野球でも「バントは損」か 日米野球比較3
スポーツライター 丹羽政善

(2/4ページ)
2011/1/17 7:00
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メジャーの数字を改めて紹介すると、「The Hidden Game of Baseball」によれば、1961年から77年の実例をたどったところ、無死一塁でそのまま攻撃した場合の得点期待値は0.783点で、バントをして1死二塁から攻めた場合の得点期待値は0.699点となっている。

日本のプロ野球と大リーグの
得点期待値の比較
送りバント
あり
送りバント
なし
2005年前半戦
セ・リーグ0.840.97
パ・リーグ0.981.16
大リーグ
1961~19770.6990.783
(The Hidden Game of Baseballによる)
2000~2004
(ナ・リーグ)
0.70.906
(The Bookによる)

■いずれもバントをしない方が得点期待値は高い

度々紹介している「The Book」では、無死一塁でそのまま攻撃した場合の得点期待値が0.906点。バントをして1死二塁になった場合の得点期待値は0.700点だ(2000~04年、ナ・リーグ)。

表に関して断っておきたいのは、及川先生のデータは、無死一塁、無死二塁、無死一、二塁のケースでバントをしたかどうかが対象。メジャーの数字はともに無死一塁でバントをしたケースに限定されている。

おそらく、そのために日本の得点期待値の方が高いと思われるが、時代、リーグ、ケースが違っていても、その数字に共通するのは、いずれもバントをしない方がバントをした場合の得点期待値を上回っているという事実だ。

■日米の野球で期待値の傾向に差はなし

日本では、他にも送りバントをした場合と、しない場合の得点期待値を比較した本が出ているが、そうした調査でも、バントをしない場合の得点期待値の方が高くなっているようである。

以上の比較で動かしがたいのは、バントによって得られる得点期待値において、日米の傾向の差を見いだすことは難しい、ということである。

仮に、日本の場合、送りバントをした方が得点期待値が上がるというデータがあるのなら、日本と大リーグでバントの頻度において倍近い差がある理由も説明できるが、実際はそうではない。

では、なぜ、バントの頻度で日米に大きな差があるのか。

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