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メジャーはなぜバントをしないのか 日米野球比較(1)
スポーツライター 丹羽政善

(1/4ページ)
2010/12/6 7:00
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ある本を読んでいるとき、「Sacrifice Hits(犠牲ヒット)」という言葉が度々出てきた。

漠然と、犠牲バントをしたら結果的に内野安打となったケースをそう呼ぶのだと想像したが、読み進めていると、どうも辻褄(つじつま)が合わない。

1940年代は500打席に対し約5.5回

もう少し調べて見れば、古くは「Sacrifice bunt(犠牲バント)」のことを「Sacrifice Hits」と呼んだそうだ。

その"Sacrifice hits"。ここからは普通に「犠牲バント」と呼ぶが、日米の野球スタイルを比較するときに度々クローズアップされる戦術である。

簡単にいってしまえば、バントを多用する日本の野球に対し、ほとんどバントをしない大リーグの野球――という解釈が一般的になされているが、アメリカでも野球の質が変わってきていることにまずは触れておきたい。

犠牲バントをすべきかどうか。実は、トム・タンゴ氏らが野球のセオリーを検証した「The Book」によれば、1940年代は500打席に対し約5.5回はバントが行われていたそうだ。80年代までにその比率は約5回に下がり、2004年には3回を少し超える程度にまで頻度が落ちたという。

1試合あたりのバント数はセ・リーグで0.64

メジャーだけを見ても、その時代、時代で、スタイルに違いがあるというわけだ。

一方、日本の場合は、東京学芸大学の及川研准教授らが「送りバントをした場合としない場合の得点期待値の差異について」(東京学芸大学紀要 芸術・スポーツ科学系 第58集、2006)という論文の中で、05年の日本のプロ野球公式戦(前半戦432試合)では、1試合あたりのバント数がセ・リーグで0.64、パ・リーグで0.55だったという検証結果を導いている。メジャー1試合あたりのバント数は0.33だったというから、その差はセ・リーグで倍近い。

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