SNSを悩ます「出会い系」問題の深淵
非出会い系の被害児童数は最悪水準へ

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2010/12/8付
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非出会い系サイトの被害児童数トップはグリーの171人

会員数の増分を考慮してもGREEに関係した被害児童数は増加傾向にある

会員数の増分を考慮してもGREEに関係した被害児童数は増加傾向にある

10年上半期、GREEに関係した被害児童数は、非出会い系サイト全体の29%にあたる171件。グリーの関係者は、そう警察から伝えられたという。出会い系サイト全体の被害児童数を30人上回る数字で、これが非出会い系サイトの増分を牽引している格好だ。

もちろん、グリーが手をこまぬいているわけではないし、ユーザー数が肥大化しているだけに、絶対数が増えてしまうのはある程度仕方がないという言い分もある。モバゲー、mixiも数十人単位の被害児童を出しており、決して小さくはない。だが、それぞれ期末時点での会員数あたりの被害児童数を半期ごとに追ってみると、その差は歴然としている。

モバゲーはゲームを軸としたバーチャルな関係に特化しており、現実世界の人間関係とゲームのバーチャルな関係、両方の構築を目指すGREEとは事情が異なる部分もある。また、mixiの被害児童数はGREEより少ないが、サイトにいる18歳未満の数も少ない。18歳未満のうち被害に遭う比率は、GREEと大差ない。だが、モバゲー、mixiともに実数を徐々に下げ、GREEだけが増やしているのは事実だ。

この件についてグリーにいくつかの質問を投げたが、記事掲載時点まで回答は得られなかった。ある業界関係者は言う。

「ミニメールの監視のレベルが、グリーと他社の差となっているのではないか。例えばグリーのミニメールでは、090を『わらわ』と言い換えるなど、電話番号を数字に対応するかな文字を使って示す伝統的な隠語を送ることができる。同様に、『AどっとBどっと0123のキノコにメールちょうだい』といった、NTTドコモのメールアドレスを指す隠語も通じる。両方ともモバゲーでは、システムがブロックし、18歳未満に届かない」

「反SNS」や「反EMA」の機運高まるか

グリーは警察からの要請もあって、10年7月、「日記、コミュニティなどでの投稿に加えて、メールの内容についてもサイトパトロールの対象範囲とし、違反行為の取り締まりを強化する」と発表。3カ月後の10月にも、「面識のない異性との出会いなどを目的とした利用・投稿への監視を強化」「個人情報を含む投稿やメールの送受信に対するペナルティ水準の引き上げ」を実施すると発表し、矢継ぎ早に対策を打ち出している。

まさに今、グリーはこうした作業を実施している最中で、いずれ、前述のような隠語にも対応すると見られる。だが、警察庁が半期ごとに公表している被害児童数は、検挙時点の数字。出会いから、会って違法行為をし、検挙されるまでは時間差がある。

「対策の効果が数字となって現れるまでには、少なくとも半年以上はかかる。モバゲーやmixiも、18歳未満のユーザーが増えているだけに、大きく被害児童数を減らすのは難しい。10年下半期の非出会い系サイトの被害児童数は、間違いなく上半期より増えるだろう」

前出の関係者がこう指摘するように、11年2月には新聞各紙にまた、「非出会い系サイト」「SNS」「犯罪被害の児童」「急増」といった見出しが躍る可能性は高い。10年、非出会い系に関係した被害児童数は過去最悪の水準に達するだろう。連れて、「反SNS」や「反EMA」の機運が高まる可能性もある。

「出会い狩り」に憤るユーザー

11月30日、東京都議会に「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」の議案が提出された。原則適用となっている携帯フィルタリングを容易に解除できないよう、手続きを厳格化する内容も盛り込まれている。

この議案をまとめた東京都青少年問題協議会(会長:石原慎太郎東京都知事)は答申で、EMAが認定した健全サイトでも被害が多発していることを指摘。携帯電話事業者には「EMAのような第三者機関にとらわれず、コミュニティー機能を有したサイトはフィルタリングで遮断することを基本とするよう要請していく」としている。

日増しに強まるSNSへの圧力。ただし、業界も巻き込んだ「出会い狩り」の風潮に疑問を呈する利用者がいることも、忘れてはならない。

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