SNSを悩ます「出会い系」問題の深淵
非出会い系の被害児童数は最悪水準へ

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2010/12/8付
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警察は非出会い系サイトの内訳を公表していない。だが、内部では事業者別の検挙件数や被害児童数も把握しており、多くの利用者を抱えるSNSは当然、その上位に食い込んでいる。大手3サイトであるモバゲー、GREE、mixiの10年上半期の合計被害児童数は、非出会い系サイトの4割、240人超にのぼることが取材で分かった。この数は、出会い系サイト全体の1.7倍に相当する。

DeNA、グリー、ミクシィの3社はいずれも、「異性との出会いを目的とする行為を禁止する」と利用規約に明示し、成年、児童に関係なく、出会い目的の行為を許さない姿勢をとっている。にもかかわらず、非出会い系サイトに関係する事件が増え、逆に出会い系サイトは沈静化する方向にあるという矛盾。その理由は、「規制」を抜きにして語れない。

出会い系、非出会い系を分かつもの

「援助交際」の社会問題化を機に、いわゆる「出会い系サイト規制法」が制定されたのは03年のこと。同法は、出会い系サイトを「面識のない異性との交際希望者の情報を電子掲示板に掲載して公衆が閲覧できるようにし、かつ、その情報を閲覧した者が掲載した者と電子メールなどを利用して相互に連絡できるようにするサービス」と定義している。

簡単にいえば、児童、成年に関係なく「異性との出会いを容認している」サイトが、規制の対象となる。

出会い系サイト規制法は、18歳未満の児童が出会い系サイトを利用することを認めておらず、性交目的の書き込み、あるいは金品を対償に交際を誘う書き込み自体を処罰(禁止誘引行為、100万円以下の罰金)の対象としている。これにより、「エッチできるJK(女子高生を指す隠語)希望」、「16♀(女子)だけど、3でデートしてもいいよ」といった書き込みは違法、検挙対象となった。

08年の改正では、事業者の義務が大幅に強化された。禁止されている書き込みを削除することなどに加え、事業にあたって公安委員会への届け出が義務となり、違反すれば刑事罰が科せられるようになった。さらに09年2月からは、利用者に対し身分証やクレジットカードなどで18歳以上であることを確認する作業が、事業者に義務付けられた。これが利いた。

年齢確認で多大なコストと作業を強いられる事業者は、身分確認を嫌った利用者減も手伝って、相次ぎ看板を下ろした。両親など他人の身分証を使ってまで出会い系サイトを利用する児童も、そうはいない。この状況でなお、児童を狙った書き込みなどをする輩がいても、禁止誘引行為で取り締まり、未然に被害を防ぐことができる。

実際、10年上半期の検挙件数538件をみると、出会い系サイト規制法違反が全体の38.5%、207件と最も多く、うち書き込みなどの禁止誘引行為が205件に達している。結果、06年に年間1153人にのぼった出会い系サイト関連の被害児童数は09年に年間453人まで減少し、10年上半期は141人にまで減った。

警察を管理する公安委員会は事業者に指示・命令を下すことができ、従わない場合も処罰の対象となる。改正で、出会い系サイトをほぼ監督下に置いた警察。半面、児童を狙う不届き者が河岸を変え、横行し始めたのが、規制の及ばない非出会い系サイト、とりわけ利用者が多いSNSだった。

SNS各社とも、異性との交際目的の行為は排除

SNS各社は「出会い系サイトではない」という姿勢を明確にし、警察も「SNSは出会い系サイトには当たらない」としてきた。であるがゆえに規制の対象とはならず、児童も自由に出入りできるサービスとなっている。

ただ、SNSでは「コミュニティー」や「サークル」といった掲示板のような機能と、「ミニメール」や「メッセージ」などと呼ばれるユーザー同士がサイト内で個別にやり取りできる機能が重要な要素となっている。出会い系サイトを追われた悪意のある大人が、これらの機能を悪用するのは自明だった。

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