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村田兆治、「まさかり投法」で完投の美学貫く
スポーツライター 浜田昭八

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2010/12/5 7:00
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捕手が投手の投げた球を"トンネル"するシーンを、何度か見た。ロッテの村田兆治が最も輝いていた1970年代の終わりごろ。フォークボールが捕手の両足の間をすり抜けた。

ワンバウンドする投球は胸に当てて前に落とすのが鉄則だが、捕手が反応する間もないほど鋭く落ちた。

日本プロ野球記録を持つ"暴投王"だが…

村山実(阪神)、野茂英雄(近鉄から大リーグへ)らフォークで有名な投手は多いが、捕手が捕球できずにトンネルしてしまうほど、村田の「高速フォーク」はピカイチだった。

日本プロ野球記録となる通算148の暴投を犯した"暴投王"だが、このうちの2割ぐらいは「捕逸」と記録してもいい球ではなかったか。

投球フォームにもすごみがあった。バックスイングで尻を思い切り打者に向けて突き出した。そこで"タメ"を作ってから、体に隠れた右腕を思い切り振り出した。

オノで大木を切り倒すような投球フォームは「まさかり投法」と名付けられた。

75、76年に2年連続で最優秀防御率

入団当初はノーコン投手だった。しかし、4年目の71年に試行錯誤して「まさかり」にしたら、球威が増した上に制球もよくなった。

まだ投手の役割分担がきちんと確立されていなかった時代。若くてスタミナのある村田は先発、救援に大車輪の活躍だった。

金田正一監督のもとで75年にセーブ王、75、76年に2年連続で最優秀防御率のタイトルを獲得した。76年の5完封を含む21勝、257イニング2/3で防御率1.82は、投手の仕事に厳しい金田監督も手放しで褒めた。

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