日本サッカー世界への挑戦

フォローする

Jリーグの理念揺るがす大宮の「観客数水増し」問題
サッカージャーナリスト 大住良之

(5/5ページ)
2010/11/20 7:00
共有
印刷
その他

概数で「2万5000人」という発表だったら、「自分が行かなくても数字は変わらないのではないか」とファンは感じてしまうだろう。しかし、実数で例えば「1万8956人」という発表を見たら、「自分が行かなければ、この数字は1万8955人になっていたんだな」と感じることができる。

単なる数字ではない

入場者数は単なる数字ではない。Jリーグの歴史の重要な一部だ。「総体としての観客」ではなく「一人ひとりのお客様」を歴史として積み上げようというのが、「実数発表」の根本理念だったのだ。

同時に、実数を発表していかなければ、はたして実際に観客数が増えているのか、減っているのか分からないではないか。

こうした考えの下に、Jリーグは92年9月5日、本格スタートの前年に行われた最初の公式大会、「ナビスコ杯」の第1節から実数発表を実行したのだ。Jリーグとサッカーが爆発的なブームを迎えるのは、この年の年末あたりから。実数発表に踏み切ったのは、まだ「プロサッカー」が海のものとも山のものともつかぬ状況下だった。

大宮の観客数水増しは、こうした根本理念を理解していなかった結果にほかならない。Jリーグにとっては、その存立に関わる重大な違反なのだ。

初心を問い直す時期

大宮は当該の「幹部2名」を解任、渡辺誠吾社長も辞任することになった。

だが、これですべて終わったわけではない。Jリーグと全37のクラブの全役員、全スタッフは、リーグの根本理念を改めて思い起こし、肝に銘じて業務にあたらなければならない。

来年、Jリーグは社団法人創立20周年を迎える。そして再来年にはリーグも20シーズン目に入る。当初10クラブだったリーグは、いまやその4倍近い規模に達しようとしている。「初心」を問い直す絶好の時期だ。

日本サッカー世界への挑戦をMyニュースでまとめ読み
フォローする

  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
共有
印刷
その他

電子版トップスポーツトップ

日本サッカー世界への挑戦 一覧

フォローする
9日、グラーツ近郊で行われたパナマ戦に向けた初練習で、円陣を組む日本代表=共同共同

 「10月の活動(対カメルーン、コートジボワール戦)で出た成果と課題を整理し、すべての面でレベルアップしたい」
 パナマ(11月13日)、メキシコ(同17日)と2試合を戦うオーストリアのグラーツでのキャ …続き (11/12)

2月に行われたACLの水原戦で勝利し、サポーターの歓声に応える神戸・イニエスタ(手前右から2人目)ら=共同共同

 3月上旬にストップしたままだったサッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)東地区の試合が、11月にカタールのドーハで再開する。グループステージの残り37試合とともに、ノックアウトステージ(すべ …続き (10/29)

オランダで国際親善試合を行った日本代表の活動再開は大成功だったといえる=ロイターロイター

 オランダのユトレヒトを舞台に、9日のカメルーン戦、13日のコートジボワール戦の2試合を戦ったサッカー日本代表の「活動再開」は大成功だったと思う。
 試合結果は1勝1分け。カメルーンと0-0で引き分けた …続き (10/15)

ハイライト・スポーツ

[PR]