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Jリーグの理念揺るがす大宮の「観客数水増し」問題
サッカージャーナリスト 大住良之

(4/5ページ)
2010/11/20 7:00
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後で検証することはできない

定義としては非常に明確であり、また「試合を見て楽しむ人の数」という考え方も評価に値する。02年の日韓大会以来、ワールドカップでは「SOLD OUT」という訳の分からない発表が行われ、実際にスタジアムに何人訪れたか分からなくなっているから、Jリーグの基準ははるかに優れている。

ただ問題は「ゲートでのカウント」が、アルバイトによるカウンターの手押しで行われているということだ。訓練はされているだろうが、当然カウント間違いは起こる。そしてチケットを持たない「未就学児」のカウントは、その場限りのもので、後に検証することができないのだ。

さらに、集計作業、それを発表する段階で、間違い、あるいは人為的な操作がなされてしまう危険性は否定することができない。

「観客数水増し」は日常茶飯事

かつて日本のスポーツでは入場者実数など発表されたことがなく、主催者発表の概数だけだった。景気づけのため、プライドを守るため、あるいは何らかの利益をはかるため、その数字が大幅に水増しされていることは日常茶飯事だった。

今でこそプロ野球も実数発表になっているが、かつては巨人が東京ドームでの主催試合の観客数を毎試合「5万6000人」と発表していた。実際には座席が約4万6000しかないのにもかかわらずだ。アメリカンフットボールで国立競技場(当時の座席数は6万1000)に8万人が入ったと発表され、スポーツ紙の1面を飾ったこともあった。

サッカーでも、日本サッカーリーグ(1965~1992年)当時には、運営担当者がスタンドを見上げて「きょうは3000人かな」などと決めていた。天皇杯全日本選手権の決勝戦では、チケットをもった入場者が2万人に満たなくても、「決勝だから」「正月だから」と、3万人を超す数字が発表されるのが常だった。

実数発表の根本理念

だがJリーグは、スタートするに当たって敢然と「実数発表」に踏み切った。

「お客さま一人ひとりを大切にしなければ、Jリーグに未来はない」と初代チェアマンの川淵三郎さんが考えたからだ。

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