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バース、研究熱心と高い順応性で阪神最強の助っ人に
スポーツライター 浜田昭八

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2010/11/7 7:00
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当時の甲子園にはラッキーゾーンがあった。ポール際から左中間、右中間へ向けて金網フェンスを設置し、本塁打を出やすくしていた。現在より5メートルから10メートルは狭くなっており、金網と本来のフェンスの間にブルペンが設けられていた。

配球やクセをじっと観察してメモ

その左翼ブルペンを、最もうまく活用した左打者がバースだった。さらに、遠征地でも風向きを見て、無理に引っ張ろうとしなかった。

ベンチにいるときは相手投手の配球やクセをじっと観察、よくメモをしていた。

外国人選手には開けっ広げなタイプが多いが、バースには神経質な一面があった。阪神が初の日本一になり、バースも初めて3冠王に輝いた85年。開幕当初はまだ、左腕投手との対戦を嫌がっていた。広島との開幕シリーズで左腕の大野豊、川口和久と対戦したときは、出場を尻込みした。

王監督の55本塁打超えを期待されたが…

当時の吉田義男監督に一喝されて渋々ながら出た。バース、掛布雅之、岡田彰布による有名な甲子園バックスクリーンへの3連発は、この直後の巨人戦で出た。槙原寛己に浴びせた伝説的快打を皮切りに、バースは5試合連続で本塁打を放った。5本の中には左腕の巨人・角盈男、中日・杉本正からの一発も含まれていた。

この年は54ホーマーを放った。54本目を打ったあと2試合を残し、王貞治が64年にマークした55本の日本記録の更新が期待された。

しかし、皮肉なことに残り2戦の相手は王監督が率いる巨人。バースはほとんど勝負をしてもらえずに終わった。

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