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快適な長寿と健康な社会へ何が必要ですか

読者の提案 越智仁・三菱ケミカルホールディングス代表執行役社長編

越智仁さんの提示した「快適な長寿と健康な社会へ何が必要ですか」という課題に対し多数のご投稿をいただきました。紙面掲載分を含めて、当コーナーでその一部をご紹介します。

菜園で世代超え触れ合い 柳田 信一(無職、71歳)

私は100平方メートル程度の家庭菜園で野菜を作っている。野菜を作ると体をよく動かす。耕す、肥料を運ぶなど、足腰が鍛えられ、太陽も十分浴びることができる。また、野菜の成長を眺めていると気持ちも穏やかになる。このように心身の健康維持・増進に効果がある野菜作りを多世代で共有すれば、様々な世代に良い影響がある。子供たちにとっては、食物を育てる楽しさ、大切さ、生命の大切さを自分で考える機会にもなる。高齢者は自身の経験、知識を伝える場にもなる。壮年の世代にとっては、自分の将来を考える良い時間になる。触れ合いを密にするためには規模は小さいほうがよい。農地と人を確保するために、企業の出番があるかもしれない。健康社会の種まきになる。

歯にセンサー、体調を把握 木本 洋介(歯科医、38歳)

天気予報アプリでは数分後の天候の状態を知ることができる。リアルタイムで自身の心身の状態を把握できるようになれば健康で快適な生活に一歩近づく。口の中の状態から得られる情報は多い。唾液、微量の血液、歯に加わる筋圧、頭部の傾斜度などを測定するセンサーを歯の表面に接着する。供給電力は圧力で生みだし、情報はWi-Fi(ワイファイ)で転送できれば理想だが、場合によっては充電と情報転送を兼ねた歯ブラシを用いてもよい。歯に接着することに抵抗がある人は、情報が装着時限定にはなるが、マウスピース型を用いれば給電も転送も簡単になる。万が一の徘徊(はいかい)時や、災害時の身元不明の際にも歯は最後まで残る可能性が高い。もちろん管理型社会への議論を深める必要があるのは言うまでもない。

AIが新たな知恵生む 吉田 藍(海陽学園海陽中等教育学校中学2年、14歳)

快適な長寿と健康な社会を実現するために必要なものは、人工知能(AI)などの技術的なテクノロジーであると思う。まず、正確な健康管理が可能になる。今の時代、体重計がWi-Fiに接続されていることが当たり前になっている。それを利用して、スマートフォンが歩数計や献立表の役割をし、栄養成分を計算して、正確なデータを出すことが可能だ。今後の健康な身体を維持するための計画も立ててくれる。人工知能が人の健康データを分析することで、新しい考え方や手段を見いだすことができる。少なくとも5年以内にはこれらのアイデアは実用化されることだろう。

【以上が紙面掲載のアイデア】

体も心も健康にする歩数計アプリ 安田 穣(芦屋市立山手中学3年、14歳)

健康というのは病気にかからないなど、体だけでなく、心の健康も含んでいる。だから健康寿命を延ばすには、心と体のどちらも健康に保てるようにする必要がある。そこで僕は今ある歩数計アプリを改良すればよいと思う。100歩歩くごとに1円、世界中の困っている人々に寄付することになる仕組みにすればどうだろう。資金は歩数計アプリの広告費から調達すればよい。このようなシステムを作れば、多くの人に歩く事を促すと同時に、社会に貢献する喜びを感じてもらう事ができる。そうすれば体と心のどちらも健康に保てるのではないだろうか。また、日本の全国民(約1億2700万人)が毎日1万歩ずつ歩いたとすると、1年間で約4兆6355億円もの寄付金が集まる。これを困っている人々に寄付すれば、それもまた快適な長寿と健康な社会につながるのではないだろうか。このようなアプリこそが必要なのだと思う。

これからの健康管理はトイレに委託 本橋 諒(駒沢大学グローバル・メディア・スタディーズ学部3年、20歳)

病気は発症してからでは遅い。未然に防ぐことが大切で、健康管理や健康チェックは日ごろから継続することが重要である。しかし、多くの人はそれができないのが実情だろう。我々は毎日の習慣に健康管理を取り入れるべきだと考える。私は毎日する習慣の中で排便、排尿に注目している。排便や排尿でトイレを利用する際に指紋やICチップをかざし、個人データを識別。水を流す際に尿と便をトイレが自動で採取するシステムを作る。習慣から得たデータを積み重ねた上で解析し、結果が食生活などに対するアドバイスとともに毎日スマートフォンに送られてくる仕組みだ。会社や学校でトイレのシステムを導入すれば、大きな規模での健康管理が可能になる。このシステムが成立すれば人々の健康に対する意識を大きく変えることにつながり、健康増進に役に立つとみている。

健康管理はAIで手軽に 谷村 悠真(海陽学園海陽中等教育学校中学2年、13歳)

健康診断などは技術の進歩により発展していくだろうが、自分一人では診断結果を普段の生活に生かすのはなかなか難しい。診断の結果を入力すると健康な生活を送るためのアドバイスをするアプリケーションソフトがあったらどうだろう。高血圧の人に減塩料理の情報を提供するソフトが一例だ。人工知能(AI)も活用する。AIが利用者情報や履歴を総合的に判断すれば、より多様なアドバイスを提供することもできる。また、体温や血圧、顔色など普段の健康情報も一元管理する。異常があれば病院などに報告し、精密検査の必要があると判断されたら利用者に病院などへ行くように勧告する仕組みだ。手軽に健康状態を把握できるのは重要だ。サーバーなどとつながって情報を共有するようになれば、幅広いアドバイスができるようになる。利用法には様々な可能性がある。

健康増進のPDCAを回そう 牛見 靖則(会社員、64歳)

可能な限り外出することにより健康を維持、増進する「お出かけ」を基本とした健康増進を提案する。自治体や企業は外出を促進する広報活動を展開し、健康増進の動きを後押しする。自治体は個人の健康活動にちょっとしたプレゼント(地域で使えるクーポン券など)を与え、企業はその企業で使える疑似通貨であるポイントを与えたらよい。個人の取り組みをサポートする仕組みを自治体や企業が提供すれば、健康の維持や増進に役に立つだろう。個人が健康増進に取り組む手順の構築も重要だ。具体的には、各個人が現在の健康状態を認識し、健康状態の維持、改善計画を作った上で実施する。定期的に状況をチェックし、改善を目指す。健康増進に向け、これら計画(Plan)や実行(Do)、チェック(Check)、改善(Act)の「PDCA」を繰り返すことが肝要だ。

衰えを受け入れ、ICTを活用する 多田 一明(会社員、60歳)

自らの衰えを受け入れ、それをサポートしてくれるIoT、ロボット、自動走行のスモールモビルなどを堂々と頼りながら、行動する勇気を持とう。さらに自らが一歩を踏み出す勇気を出して、自分なりにできる運動を継続してみる。しかも楽しめるたった一つの「何か」を見つけ出してみよう。無理に仲間作りをしなくてもAIや双方向で対話できるロボットが友達でも十分。日ごろからICTで健康管理をしておけばいざと言う時はICTが助けてくれるはずだ。

遠くに住む親と子の絆確認 遠藤 大志(会社員、52歳)

子供が遠くに住む年老いた親を心配する気持ちは少なからず存在する。忘れがちなのは、親が都心に住む子供のことが気がかりになっていることだ。電話やメールというのは、何かしらの「用」ができた場合に使用する。精神的安寧の日々を送るためには、両者の「生存」「健康」「食生活」「睡眠時間」「人間関係」を知ることが大事なのではないだろうか?これらを本人がさして自覚することなく数値やパーセンテージなど見える化した媒体で、時間や場所に関係なく確認できるツールを開発、実用化する。もしも、想定値を大きく外れた異常値がでた場合、アラームなどで家族に通報し、詳細データを「Skype」や「LINE」など最新の連絡手段で直接確認するようにしてみてはどうだろうかと考える。

攻めの介護保険給付 田中 雄二(アルバイト、45歳)

私は民営スポーツクラブ利用料の介護保険給付化を提案する。給付方式は一旦全額自己負担とし、一定の成果(筋肉量の増加等)を収めかつ厚生労働大臣が証明をした場合に給付する償還方式とする。現状の介護保険制度は事後的な給付が主であり、また転倒による骨折が寝たきりの端緒となるデータもあるため、この提案はいわば攻めの予防的保険給付となりうると思う。特定健康審査と併せて制度化すれば、生活習慣病予防にもつながり社会保険料率の低減化にも寄与するのではないだろうか。少子高齢化の進展、生産年齢人口の減少に伴い社会保険料は上昇傾向にある。そのため国民皆保険制度の存続が危うくなりつつあり、介護士不足問題も無視することはできず、健康寿命の延伸は喫緊の課題となっている。この提案が実現すれば、国民皆保険制度の存続、介護福祉士不足の解消も図れる可能性があり、快適な長寿と健康な社会の実現への一助になるのではないか。

住環境の整備 平井 国彦(会社員、69歳)

現在、老後の生活はマンション・戸建・老健施設等と限られている。これらは夫婦2人や単身者には、孤独な生活環境を強いることになっていないだろうか。長寿を維持するためには、知能及び体力の維持、コミュニュケーションの場所を社会的に提供する必要が有るのではないか。一つの例として、マンションンであれば管理組合がマンション内に大人の遊び場を作り、知能と体力を維持する設備を整えるのはどうだろうか?知能維持のためには囲碁・将棋・マージャンが役立つのではないかと思う。体力維持には簡単なストレッチができる健康器具、そして介護士の(トレーナー)の派遣などができればいいだろう。最低限の健康測定器具を設置すれば、健康管理も容易になり、健康増進によって医療費の削減にもつながるはずだ。

若者自らが前向きになれる授業 鈴木 安奈(早稲田大学文学部3年、20歳)

快適な長寿と健康な社会の実現には、若者の力が不可欠だ。少子高齢化が進む現在、若者一人ひとりの質を高めることが重要になる。そのために教育機関で快適な長寿と健康な社会のことを考える授業を設けるべきだ。若者がそれぞれこうした社会の実現のために何ができるか、自分たちが考える理想の社会とは何か、といったテーマを議論する。その過程で、私たち若者のマインドが変わり、社会で活躍をしていくようになれば、自然と快適な長寿と健康な社会のために働き、最高の社会になる。授業で一番重要なのは、私たちがワクワクしながら授業を受けることだ。日本の未来について考えるとなると、私たち若者はネガティブに考えたり、目をそむけたりしやすい。だから楽しく、前向きな気持ちになれるような授業をする必要がある。

運動や睡眠をモニターし、スマホにメッセージ 野村 史郎(企業経営者、60歳)

以前「体重計ダイエット」ということがいわれた。毎日体重計に乗り、自分の体重を意識すれば痩せる、というものだ。何事も意識しないと行動には結びつかない。健康状態も同じではないか。最近は腕時計式のセンサーで毎日の運動量、睡眠状態などをモニターできる器具があるようだ。こうした機器を活用し、スマートフォンで気軽に自分の健康状態を分かるにして「最近、運動不足ですよ」とか「睡眠の質が落ちています」といったメッセージを出すようにすれば健康を意識するようになるだろう。もう一つ、睡眠と健康に関する啓蒙活動を強化することも重要だ。24時間社会で睡眠は危機的状況にある。睡眠の重要性を周知することが健康維持には欠かせない。

「将来への安心」こそ必要 福井 一弥(会社員、31歳)

必要なもの、それは「将来への安心」だと思う。不安をはらんだ社会では快適さなど生まれるはずもなく、そんな社会はすでに健康的ではない。例えば経済面を考えてみたい。今後、一層の高齢社会を迎える今ですら高齢者1人を支える我々現役世代は3人にも満たず、月々の保険料負担が大きい。しかもこれが老後の安定的な生活を100%保障するとも言えず、我々の財布のひもは堅い。従って、例えば年金積立金の運用状況や複雑な年金制度を政府がもっとわかりやすく訴える必要がある。国民も学生時代から教育などを通じて現状を知り、自分の問題として老後に真剣に向き合えるような、いっそうの機会づくりが重要だろう。また労働面では、労働者の働くフィールドや働き方が多様化した今、個別の労務管理は難しくなっている。仕事における労働者の裁量幅が拡大しているからこそ、働き方改革が現役世代の健康や安心づくりに与える影響は大きい。労使が一体となって取り組む姿勢が必要だ。

SNSのつながりで健康増進を 倉島 研(スクールカウンセラー、41歳)

SNS(交流サイト)によって外に出ずとも人とつながり、見知らぬ人とも友人としてコミュニケーションできる時代になった。デジタル化により仲間づくりのハードルは下がったといえる。一方で、どこでもつながるため外出の必要性を減らし、家にこもることを助長している。そこで「オフ会セッティングアプリ」があるといい。SNS仲間の所在地をリアルタイムで把握し、設定した生活圏に仲間が入れば自動通知され、趣味等のデータからAIがおすすめのスポットやお店を提案するのだ。このような働きかけで、リアルなつながりを促すのである。人間は皆が運動好きではない。だから、人とのつながりをきっかけにして、退職後も職場に毎日通勤していたころのように日々、外に出て歩くという最低限の運動を続けることが必要だ。奇をてらうのではなく、そのような基礎的モデルを在職中から築いていかなければならない。

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